こんな田舎に、こんな有名な指揮者とこんな有名なオーケストラが来て、
アメリカ音楽を演奏する。
しかもメインは、コープランドの交響曲第3番。
もう一生ないだろう、というこの機会。
行ってきました。ハーモニーホールふくい。
2017年7月20日(木)
ハーモニーホールふくい大ホール
指揮:レナード・スラットキン
ピアノ:小曽根 真
管弦楽:デトロイト交響楽団
バーンスタイン: 「キャンディード」序曲
バーバー:弦楽のためのアダージョ
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
コープランド:交響曲 第3番
席はもちろん、バックステージ。最も左側の席にしたのは、ホルンが前に来るかなーーという期待
からだったのだけど、ホルンは中央に。
今回、右側にはパーカッション群や、ピアノ、チェレスタにハープがいる配置。
でも右側にしたら、全く見えなかったかもしれず、こういうのは難しいところ。
開場と同時ぐらいにホール入りしたら、デトロイト響(DSO)の楽団員の人たちが、ステージ上で
練習していた。
後から続々と、入ってきて、練習を始める。
ケースごと持ってきて、楽器をその場で組み立てたりしている。
それが、途中休憩でも同じで、なんと練習熱心なことか、と思う。それがDSOの流儀なのだろう。
若手もいて、結構なベテランの人もいる。
〇「キャンディード」序曲
佐渡裕が司会をしていた頃の「題名のない音楽会」のテーマ曲。
スラットキンは、楽譜なし、指揮棒なしで振っていた。
賑やかで、華やかで、迫力満点。
〇バーバー:弦楽のためのアダージョ
一転して、美しくしなやかで、しとやかな演奏。
弦楽器の音の持続性が途切れた時の静寂。その衝撃は生でしか味わえないと感じた。
〇ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
小曽根真のピアノは、なんと自由なことか。
この曲のCDは何枚か持っているし、テレビでも何度か聴いたことはあるけれど、
この演奏は前代未聞だ。
いきなり止まるし、節回しがちがうくらいだったのが、ピアノソロになると、
ガーシュインではなく、小曽根作曲といっていいくらいの、即興(?)ジャズに近い演奏。
音色は軽いのに、煌びやか。
色っぽいトロンボーンの音色とかふっとんでしまった。
アンコールでは、スラットキンとの漫才みたいなやり取りから、連弾に。
ガーシュインの曲だったようだけど、これも小曽根さんの即興がかなりあるようだ。
〇コープランド:交響曲 第3番
スラットキンもこれだけは楽譜を置いて指揮していた。
金管バリバリというよりも、のびやかな音色にしびれた。
(チューバの人は第2楽章の最初のところばかり、練習していたなぁ)
金管から木管につないだ襷が弦楽器につながれていくような構成のところも。
意外に木管の活躍も見えた。
特に第4楽章は「市民のためのファンファーレ」のモチーフが使われていて、
金管が輝かしい。
チューバの隣に距離を置いて座していたコントラバスの人は、演奏しない時は
耳をふさいでいたくらいである。
実はピッコロがよかった。美人さんだった(らしい)。
見えなかったけど、打楽器の迫力は大きかったなぁ。
まあ、スラットキンの指揮ぶりを見ていると、もう少しメリハリがついていてもいいようなところは
あったのだけど、やっぱり「生」の迫力はいい。すごくいい。
〇アンコール
菅野よう子(吉松隆編): 花は咲く
いやいや。アンコールはないものと思っていたら、こういうのもやってくれるのですね。
編曲がよくて、主旋律の演奏者がバトンタッチされていくのが、いい感じでした。
〇F.スラットキン: 悪魔の夢
まだ、やってくれたのです。
親父さんの曲。スラットキンのアナウンスでは、ウェスタンの曲と言っていたように
カントリー調のところもあり、観客に手拍子をさせる演出も。
ホール一体になって終わる。
さすが、盛り上げるわー。
デトロイトのメンバーに、日本人かなーという感じの人が結構いたので
調べてみると、コンマスは韓国の女性。
他は中国人が多かった。
さて、帰ろうか、という時、福井の友人と
バックステージにまわってみる。
バスが3台。Tシャツ、短パンに着替えた楽団員が次々と乗り込んでいく。
運転手さんに話を聞くと、明日は上海だって。
そして、スラットキン現れる。
今年72歳。まだまだ若い。
意外は背は高くなく、165cmくらい。
握手してもらったけど、そんなに手も大きくなかった。足はでかかった。
サインももらったし、友人は一緒に写真を撮った。
愛想よかったです。
<スラットキンの今回のツアーに向けたインタビュー>
http://www.kajimotomusic.com/jp/news/k=2752
<DSOアジアツアーのページ>
http://www.dso.org/asia2017
そして、DSOアジアツアーの宣伝動画
コープランドの3番のさわりが聴けます。
なお、今回の日本での演奏のうち、東京の文京シビックホールでの演奏会は
NHKのカメラが入っていたそう。
ふくいと曲目は同じなので、たのしみであーる。
ログインしてコメントを確認・投稿する