mixiユーザー(id:8591631)

2017年05月02日01:08

106 view

歌枕紀行「鳥羽離宮」

初夏の花といえばフジ。洛南の鳥羽にフジ棚の名所があり、毎年訪れています。咲きっぷりといい、棚の長さといい、近畿でも稀有の物。ただ、場所が下湯のみ処理場ゆえ、フジの甘い香りに合わさると、得も言われぬ心地に・・・

-----------------------------

◎(+鳥羽院ガ)わづらはせ給ひける時、鳥羽殿にて時鳥(ホトトギス)鳴きけるを聴かせ給ひて、よませ給ひける
 
            つねよりも 睦(ムツマ)しきかな 時鳥

                              死出の山路の 友とおもへば

(ホトトギスの声を聴くと、いつも以上に慕わしく感じられるよ。あの世に越える山路を導いてくれる友だと思うと・・・)。

【鳥羽院】1103-1156、堀川天皇の子、第74代天皇
【わづらはせ給ひける】御病気になられた
【鳥羽殿】洛南、桂川と鴨川の合流地に営まれた広大な離宮。祖父・白河院がここを拠点に、上皇として独裁権力をふるった。譲り受けた鳥羽院も増築・拡張しつつ拠点とした。域内には白河・鳥羽・近衛天皇の墓が残る
【死出の山路の友】ホトトギスは冥土からくる鳥と考えられていた

                                       (『千載集』哀傷歌581・鳥羽院)
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する