mixiユーザー(id:212781)

2016年10月11日06:31

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花盛り雨乞い飽和する欠乏症

心模様は雨のち雨、負け犬日和
庭先から漏れ出たため息を回収するのに今日も追われている
詰んでる人生を遡って助かる見込みの分岐点を見つける
見つかった瞬間にわからなくなって忘れる、忘れたふり

雨の中でしとしと降り始めていくにわか雨
湿気を帯びた熱帯低気圧が上空で蜂の字を描く
びちゃびちゃに湿らせた心情を乾かすには足りない
忘れたふりがうまいね思い出した雨のにおいで
雨のにおいで傘を握り触れた手の感触の冷たさ
心があたたかかった時期の手のひんやりの楽しみ

屋根のついた部屋で遮断する太陽がまぶしいから
台風の眼は分裂すると視点が合わなくなるように
周囲は吹き荒れているはずなのにここだけ静か
やけに静かな静寂がこわくて雑音と雑念を掻き集めた
落ちる枯れ葉を掃き集めたくなってしまうから
不用になった過去を積年を色落ちを見れるよろこび

束の間の晴れ間には真っ黒な眼鏡をかけて歩く
真っ暗な世界を真っ黒な世界に置き換えていく
ある年代の音楽でないとからだが反応して踊れない
ある時間帯の匂いでないと記憶の扉は開いてくれない
ある景色の色でさえも漂白してみないと浮かんでこない
なじみのある条件が揃っているはずなのに動いてこない
満開するはずの欲望が惰眠を貪るのはどうしてなの

雨を見つけにいくんだと雨の中を走り去ったのは
つかめない雨足がしみこんでこない胸の中の雨どい
手入れの手付かずの下水道には雨が干からびていて
体内の液体は海の一歩手前で蒸発してしまいそう
火照った上昇気流の声で鳴く海鳥の最初の産声で
雨が頭皮に沁み渡って霧が拓けていくのを願った
庭先に咲いたため息の花は枯れても湿っていた
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