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翌日の「根室さんま祭り」参加のため、函館から根室まで移動だけしておいて泊まった9月17日土曜日は、途中台風被害のJR根室線の不通区間を代行バスで連絡して時間が掛かったこともあり、根室到着が21:43になり、根室駅から歩いて20分ほどの宿に着いたのは22時を過ぎた。
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途中で乗り継ぎ時間が1時間22分あった釧路で夕飯は済ませてきたから腹は減っていないが、せっかく最果て・根室まで来たからにはちょこっとでも根室らしい肴で一杯引っ掛けたい。
すでに23時近くになって遅くなったが、ここ数年一緒に「根室さんま祭り」に来ている千歳のマイミクさんとも合流し、根室の歓楽街・梅ヶ枝町に繰り出す。
ところが、時間が遅過ぎたようで居酒屋「浜作」も「俺ん家」も、寿司屋「すしもと」も、全国チェーンの居酒屋「村さ来」ですら、釧路勤務時代に根室に来た際に寄った店は全て営業を終了しており、やっているのはスナックばかりで、まだ営業はしている数少ない居酒屋も、見たところ我々が根室で期待している海鮮系を出すような雰囲気の店ではない。
これは困ったと思いながら、怪しい路地を覗くと奥に何軒かまだ看板の明かりが点いている店がある(写真1)。
何の店だか路地を入って確認すると、暖簾に一応居酒屋とは書いてある(写真2)。
海鮮系を楽しめるような店には見えないが、狭い店内はお客さんで一杯で騒がしく、繁盛してはいるようだ。
こうなりゃ背に腹は代えられない、イチがバチでその居酒屋「ふるさと」に入ってみる。
写真を撮るのを忘れたが、メニューを見ると案の定大したメニューは載っていないが、何があるのか分からないものの、1行「季節の魚」とか何とか書いてあるのを見逃さなかった。
やはりサンマの水揚げ日本一の根室にサンマの季節に来たからには、できることならサンマで一杯やりたいものである。
とりあえず根室の地酒「北の勝」を注文しながら、和服姿の若女将に「サンマはあるの?」と尋ねてみたところ、刺身にできるのは1本、あとは酢締めにしたのなら2本ありますとのこと。
普通に刺身で食べてもいいが、締めサンマもあるんだから、刺身にできるサンマはなめろうにもできるか相談したところ作ってくれるとのことで、1尾ずつ注文。
まず先に締めさんまが出てきたが、魚が新鮮で臭みなどない根釧は刺身類は一味唐辛子で食べることが多く、皿にわさびも盛られてはいるが、同時に一味も持ってきてくれた。
さすがは根室である。
醤油にたっぷり一味を振り、締めサンマにつけていただく。
軽く酢締めにされたサンマはさほどお酢がキツくはなくほどよい酸味で、サンマの脂とピリッとした一味とも良く合い旨い。
そしてさんまのなめろうも出来上がった。
ほんのり味噌が効いたサンマは新鮮で、まったく臭みもなく、ひと口含んでは根室の地酒「北の勝」をペロリ。
これはもう至福の瞬間である。
さて、サンマはあとは焼きサンマしかないと言うが、サンマの炭火焼きは翌日「根室さんま祭り」で食べるから、サンマはもういいか。
そこで、冬に凍った海や汽水湖で氷の下に網を仕掛けて獲る氷下魚(コマイ)も根室で獲れる魚だから、1人前炙ってもらう。
表面に粉を吹いているのはうま味成分のアミノ酸で、軽く干してカチカチにはなっていない氷下魚はふっくら甘く、マヨネーズなどつけなくてもそのままで十分旨い。
あとは根室らしい魚はあるか尋ねたが、カレイ類を薦められたのだが、カレイなら函館でも食えるからパスし、鮭茶漬の鮭は鮭フレークか質問したところ、お店で焼いてほぐして入れるとのことで、それなら最後に鮭茶漬を食べて帰ろう。
いいねぇ、手ほぐし感満点の鮭茶漬。
釧路で夕飯にご飯お代わりまでして食べてきたのに、結構な量だったが鮭茶漬も完食。
自分は長旅の疲れもあり、「北の勝」は1杯、あとは樽ハイ1杯だけ、マイミク氏は日本酒をお代わりして2杯飲んでから最後に樽ハイも1杯飲んでいたが、会計すると2人で4400円と安かった。
お店は午前2時まで営業とのことで、スナックのママさん風の女性や、和服姿の旅館の仲居さん風の客など、仕事を終えて食事に寄ったような感じの客が次々と来店している。
怪し気な路地の奥のうらぶれた居酒屋「ふるさと」、入るのには勇気が要ったが、選択肢もなく意を決して入ってみたらとてもいい店を見つけてしまった。
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