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2016年08月29日00:23

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サミュエル・フラー

サミュエル・フラー監督の「チャイナ・ゲイト」(57)

サミュエル・フラーの映画は、90年のサミュエル・フラー映画祭で観た。
「ショック集団」(63)、「裸のキッス」(64)、「ストリート・オブ・ノーリターン」(89)
はずなんだけど・・・

だいぶ、忘れている・・・

「チャイナ・ゲイト」は今回、初公開。これだけでも見ておきたいと思っていた。

アンジー・ディッキンソンが、「ラッキー・レッグ」としてベトナムの共産系組織ともいい関係を築いていて、別れた旦那との間の子供が5歳。その別れた旦那の米国人兵士、ジーン・バリーと、共産系組織が中国から調達している爆弾を隠す洞窟を探し出して、破壊するというミッションに挑む。

54年は、インドシナ戦争最後の年。日本の占領後、ホー・チ・ミンが共産主義政権を樹立。フランスは独立を認めななくて戦争状態に。
この映画は、傭兵部隊が主役なので、チェコに米国に、と出身国がさまざま。

冒頭、がれきの街並に、飛行機から落とされる物資めがけて走っていく人々の姿は、部隊ものの活躍を描く映画としては、異色だろう。

中国系に見える子供が、破壊された街に住んでいるというところから映画が始まり、その子がアンジーの子だってわかる構成にしていることが、ことばで語る以上に、現場の迫真性を持っている。実際のニュース映像も使用されている。
もちろん、ベトナムで撮影したはずはないのだが、セットでもないように思える。調べると、米国でしか撮影していない。だからあれはセットなのか。

夜のジャングルの場面はスタジオセットなので、レンジの広い絵は撮れていないけど、行先がよくわからない感は出ている。「地獄の黙示録」みたいに。

生生しさは、身の上話をしゃべっている兵士がいきなり、撃たれて死んでしまうところも。
前触れもなく。
フラーの映画での死はあっけない。
この映画の死はみんなあっけない、素早さで、誰もそれを振り返る暇もない。
それが戦場だ、と経験者のフラーはいうのだろう。

「ビッグ・レッド・ワン」の話しをする兵士もいた。それがナット・キング・コール。
ナット・キング・コールが「チャイナ・ゲイト」の歌をうたい、ヴィクター・ヤングがフルオーケストラで音楽を鳴らす。ある意味、贅沢な映画である。


そして、シリアの現状にも、思いをはせる。
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