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2016年08月01日16:36

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【美術】「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」展

皆様、お今晩は。国立西洋美術館にて9月19日迄開催している「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」展に行って参りました。その感想です。


イスラエル・ファン・メッケネム(c.1445-1503)は、15世紀後半から16世紀初頭にライン川下流域の町で活動したドイツの銅版画家です。当時人気のショーンガウアーやデューラーら他の作家の作品を大量にコピーする一方、新しい試みもいち早く取り入れました。また、作品の売り出しにも戦略を駆使するなど、その旺盛な活動から生まれた作品は今日知られるだけでも500-600点あまりにのぼります。

メッケネム作品の多くはキリスト教主題をもち、人々の生活における信仰の重要性をしのばせます。もっとも、像の前で祈る者に煉獄での罪の償いを2万年分免除する『聖グレゴリウスのミサ』など、なかには当時の信仰生活の「俗」な側面が透けて見えるものも含まれます。また、当時ドイツの版画家たちは、まだ絵画では珍しかった非キリスト教的な主題にも取り組むようになっていましたが、メッケネムも、男女の駆け引きや人間と動物の逆転した力関係などをユーモアと風刺を込めて描いています。

本展は、ミュンヘン州立版画素描館や大英博物館などからも協力を得て、版画、絵画、工芸品など100点あまりで構成されます。聖俗がまじりあう中世からルネサンスへの移行期にドイツで活動したメッケネムの版画制作をたどるとともに、初期銅版画の発展と受容や工芸との関わり、コピーとオリジナルの問題、作品に映された当時の社会の様相などにも目を向けます。

「グエルチーノ」、「ボルドー」、「黄金伝説」、「カラヴァジョ」展と大型企画展が続々と続いていましたが久々に身の丈に合った展覧会に戻ったと言うべきなのか、版画と言う地味ですが此処で開催する意義は十分にある展覧会だと思います。

何故かと申せば同様の企画をコレクションを持っていない他館がやった場合、正直申して色々と工夫はされているのですが、「常設展」混みでないとブーイングの嵐になることは確実でありましょう。

今回の展示は一般の方が愉しまれると言うにはチト苦しくて銅版画の歴史に興味のある方、北方ルネサンスにおける絵画表現に興味のある方と言うことでどちらかと言えば「お勉強をしたい方」の展覧会であります。

だからと言ってこの展覧会が無意味かと言えばそうでは無くて次に控えている大型企画展の「クラナハ」に繋げてみれば北方ルネサンス連動企画として予習の為には良いと思います。



http://www.tokyo-np.co.jp/event/meckenem/
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