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2016年07月22日10:24

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なぜ諸外国から右傾化を疑われるか考えたことはないのか?

田久保忠衛「日本会議」議長の記者会見……
ツッコミどころだらけなんだが。
現実に安倍さんがナショナリスト的な政策をやったとは聞いていません。
実際の政策としてやったこと以上に
オトモダチやネトサポ、ネトウヨ、子飼いメディアを使って
日本万歳的空気と中韓叩きの雰囲気を盛り上げとるけどね。

それにそもそも、田久保的尺度でいう
「ナショナリスト的な政策」とはいったい具体的にどういうものを指すのか
一度とことん追及してみる必要があるな。
仮に、国家が「政治」と「経済」と「軍事」の"三本足"で立っていると仮定致します。
それはその仮定がおかしい……。
このヒトの脳内辞書に
福祉とか民生とかいった概念はないらしい。

富を再配分して経済格差を均等に近づけるとか、
公教育の充実で教育格差をなくすとか、
経済力の弱い病弱者に
公的資金で医療を提供・支援するとか、
そういうことも国家のつとめだとは
考えていないのだろう。

経済力が上がったら
自動的に福祉も実現されるとか、
そんなことはあり得ない。

たとえばナイジェリアなどのように
国内に油田があるなどして数字上の税収はかなり豊かなのに
政権の中枢が富を独占していて
富の再配分がほとんど行われていないために
国民の大半が貧困にあえいでいる国もある。

ブレジンスキーが言うように、外交防衛問題では、日本はいちいちアメリカの言うことを聞かないと動けないんじゃないか、これは普通の国では無いんじゃないか、ということです。
そう言いながら
日米同盟の強化を説き、
「解釈改憲」で集団的自衛権を正当化してしまった安倍政権。

これじゃますます
「日本はいちいちアメリカの言うことを聞かないと動けない」
国になってしまうと思うのだが……。

せいぜいのところ、
「アメリカがものを言う前に空気を読んで動く」
国になるのが関の山だろう。

どちらのほうが従属度が高いかは
言うまでもなかろうに。
ですから日本は、異常な左から真ん中に軌道修正しようとしている。これを一部の新聞は、真ん中から極右に移る、という報道をしております。極めて遺憾であります。
というか、
もはや「左」「右」というという尺度自体が
無意味になっている。

たとえば移民を受け入れるか否かという問題なんか、
「左」「右」どちらの立場からでも反対できるし、
逆に人道主義者と資本家が
迫害や戦乱で故郷を追われた人々を保護して職を与えるという
大義名分のもとにガッチリ手を結ぶということもあり得る。
ドイツなんかではすでに実際それが起こってもいる。

ただしこの発言は
重要な示唆を含んでいる。

つまり「安倍政権=日本会議」の基本政策はほとんど
「異常な左から真ん中に軌道修正」という
命題に基づいていることを示しているからである。

実はその命題そのものが
20世紀的な古臭い、時代錯誤的な命題であり、
今の現実とかけはなれた狂った命題だから問題なのだが……。
90年から91年の湾岸戦争をご存知でしょう。日本は130億ドル出しただけで、何も動かなかった。どこからも感謝されませんでした。

(中略)

イギリスの「エコノミスト」は、最も私が愛読し、権威ある雑誌だと思っていました。当時この雑誌は、「日本は昼寝しているのか、国際情勢が全くわかっていない、日本は立ち上がれ」と言いました。素晴らしい論説だと思って、私は著書に引用しました。

ところが去年、日本会議に関するエコノミストの論調にびっくりしました。「日本は戦前の日本に復帰しようとしている」と、こんなことを書いている。弱い私が抵抗できるのはたったひとつ、この雑誌を読まないことです。
そもそも、
なぜエコノミストがそのように手のひらを返したか、
考えたことはありますか?田久保さん。

安倍政権は国防の強化と並行して
言論統制を強化している。
国内の有力メディアの首脳部とは頻繁に会食しててなづけ、
政府に批判的な言論人や番組は
有形無形の圧力をかけて退場に追いやり、
そして(国内メディアはあまり報道しようとしないが)
海外メディアの日本特派員の日本(政府)に批判的な報道に対して
監視と干渉を強めている。

国際NGO「国境なき記者団」が毎年発表する
「報道の自由度ランキング」によると、
日本は2010年には11位だったのが年々順位を下げ、
14年には59位、15年には61位、16年には72位になっている。
このペースだと来年には80位台まで下がるだろう。

諸外国が、特に「エコノミスト」のようなメディアが
「これは危ない」
「日本の安倍政権は国民の知る権利と言論の自由を着実に奪いつつある」
とみなすのはむしろ当然だと思うのだが。
日本という強い国がさらに強い国になろうとしている、という誤解が生まれます。
ていうか、実際強いから。

「世界の最強軍事力ランキング2016年版」によると日本は9位。
イスラエルやトルコより上位で、見事ベストテン入りを果たしている。
「日本は現在、世界十大軍事強国の一員」ということは
覚えておいて損はない。
 湾岸戦争が終わった数年後に、小沢一郎という政治家が、ある本を書きました。当時、彼は「日本は普通の国になれ」と言った。これは小沢が言う前から私どもが言っていたことでありますから、大賛成であります。

(中略)

この、小沢の言った「普通の国」の実現に着手し、次々に手を打ってきたのが、たった一人、安倍晋三です。私はここで、安倍の"立脚点"を皆さんに理解していただきたいと思います。

(中略)

安倍は、普通の国から右にシフトしたナショナリストではない。極左から真ん中に持ってこようと努力した政治家です。
前の日記にも書いたが、
日本を何よりも「普通でない国」たらしめているのは
ほかでもない天皇家、皇室の存在である。

どれだけ少なく見積もっても1000年以上前から
同一の王朝が続いてきたし、
それを具体的な史料に基づいて立証できる君主国は
日本以外どこにも存在しない。

だから「普通の国」になるためには
まず天皇制を廃絶しなければならないし、
皇室を尊崇する立場からいえば「普通の国」などというのは
忌むべきスローガンでなければならない。

安倍が「極左から真ん中に」持ってこようとした政治家というなら、
安倍=日本会議の認識では
安倍政権以前の日本は極左の国だったということになる。

外国のメディア関係者からすれば、

「日本が極左なら中国、北朝鮮、キューバなんかはどうなるの?」

「その極左国日本で長期政権を担ってきたのは、
共産党でもなく社会党でもなく自由民主党、
安倍晋三が党首をつとめている政党なのではないか?」

「しかも安倍一族は、その政党において
岸伸介(総理)・安倍晋太郎(外相)・安倍晋三と
三代にわたって大臣をつとめてきた名門、
いわば戦後日本のノーメンクラトゥーラではないか?」

「三代続けて大臣を務めた大貴族が
かつての長期与党の党首にして総理大臣になって、
それ以前の日本を〈極左〉〈普通でない国〉と規定し、
それをいわば『正常化』しようとしているのは、
どう考えてもただごとではないように思われるが?」

という疑問が当然起こるだろう。

そうしてみると、
安倍が「普通の国」「極左から真ん中に」するために
進めてきたという「努力」とやらは
根本的に歪んだ現状認識に基づいた努力であると考えざるを得ない。

この「努力」と先の疑問とを
矛盾なく説明しようとするならば、

「安倍晋三が考える『正常』『普通』の国というのは、
外祖父岸伸介がエリート官僚として辣腕を振るうことのできた
戦前日本か、または満州国のような国に違いない。

そして実際にそれをモデルにした
日本改造を進めているのだろう。

そのために門閥貴族、三代目大臣の安倍晋三が、
岸伸介に『戦犯』の汚名を着せた戦後日本を
徹底的に否定し、解体しようとしているのだ」

とでも考えるしかない。

そうすると、
安倍=日本会議が「戦前の日本に復帰しようとしている」とみなされるのは
至極当然である。
日本は先程申し上げたように、防衛で欠陥があり、ぐらついているから立てない。この1本を補うために、日米同盟を強化しなければならない。

中国の膨張主義に対して、最も信頼すべきはアメリカでありますけれども、ここにも目立たないながらも大きな変化が起こりつつある。 アメリカ大統領候補であるクリントンさん、トランプさん。お二人がおっしゃているのは、アメリカは対外コミットメントは制限する、ということです。

(中略)

一つ、中国の膨張主義。二つ、アメリカの内向き傾向。その間に立って、日本はどうしなければいけないか。

戦前の軍隊を再現するなどという、おどろおどろしいことを言わないで欲しい。戦前の軍隊と今の自衛隊のシステムは全く違うんです。

その自衛隊のシステムを普通の国のような軍隊にして、これを憲法に盛り込む。したがって私は改憲に賛成であります。
まぁ要するに、
中国は膨張主義を続ける。
アメリカは外国に展開している軍を縮小する。

そこで、
当面の間は日米同盟によって中国の膨張主義を牽制しつつ、
アメリカがめでたく東アジアから撤退した暁には、
日本が即座にその「軍事的真空状態」を埋める。

そしてそのXデー到来に備えて、
今のうちに憲法を「改正」して自衛隊を「日本軍」にし、
新日本軍がすみやかに、自由自在に展開できるようにする。

まぁ言ってみれば
アメリカの衰退と米軍の縮退に乗じて
アメリカが持っていた覇権、少なくとも極東でのそれを
乗っ取ってしまおうという魂胆だ。

そのための改憲です、というわけだ。

腹黒いねぇ……なんて腹黒い。

まるで莫大な遺産目当てに大富豪のジジイと結婚する悪女のようだ。

まぁ、いくらなんでも
戦前の日本軍みたいに、
政府や議会によるコントロールが不能になって
あべこべに政府を引きずり回すような軍隊を再現しようというほど
「安倍=日本会議」は狂っていない、と思いたいのだが……。

しかし仮に安倍や日本会議にそこまでの意図はなくても、
将来石原莞爾みたいなキレ者があらわれて
軍による国家支配を実現しないとはいえない。

しかも、
国防強化とメディア統制を並行して進めている現状を見ると、
日本会議=安倍政権が
自由民主主義を本気で尊重しようという気が
まったくないのはよくわかる。

結論的に、田久保発言からみえてくる
日本会議=安倍政権の魂胆というのはこういうことだ。

現行憲法下においては
中国の膨張主義を牽制するために日米同盟を堅持して
アメリカの忠実な同盟国でございという顔をしておく。

そうしておいて改憲を実施し、現行憲法体制を清算して、
国内的にはメディアを完全に政府の統制下に置き、
対外的には日本軍を自由に海外展開できる体制を構築する。

そしてアメリカの衰退・没落がさらに進んで
在外米軍を維持できなり、
その撤退を決断した時、
アメリカの忠実な同盟国として
その地位を継承するという名目で
労せずして覇権を獲得するというわけだ。

名付けて「たなぼた大東亜共栄圏」!

それが、日本会議の目指す国際新秩序である。


――――――――――――

「"普通の国"実現に着手した、
たった一人の政治家が安倍晋三」
〜田久保忠衛・日本会議議長が会見

http://blogos.com/article/183306/?p=1
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