「世界で一番貧しい大統領」南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領の言葉を読んでいた。この人は自分は根っからの農民だと言って、大統領になっても公邸に入らず、郊外の自宅に奥さんと二人で暮らしてたそうだ。大統領の時の収入はすべて寄付して、奥さんの収入だけで暮らしてたという。
○「世界で一番貧しい」という称号をどう思いますか。
みんな誤解しているね。私が思う「貧しい人」とは、限りない欲を持ち、いくらあっても満足しない人のことだ。でも私は少しのモノで満足して生きている。質素なだけで、貧しくはない。
この言葉を聞いて、京都龍安寺にある手水鉢「吾れ唯だ足ることを知る」を思い出した。これは、「知足のものは貧しといえども富めり、不知足のものは富めりといえども貧し」という禅の格言を手水鉢に図案化したものだという。
期せずして、洋の東西の賢人がおなじことを言ってるわけだ。
そして、こうも語っている。
もう一つ、ファナチシズム(熱狂)は危ないということだ。左であれ右であれ宗教であれ、狂信は必ず、異質なものへの憎しみを生む。憎しみのうえに、善きものは決して築けない。異なるものにも寛容であって初めて、人は幸せに生きることができるんだ。
こういう気骨のある政治家がいる国は、幸いかな。
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