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2015年06月22日05:46

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あなた帰って来ますか

もう数週間前に、映画「スライ・ストーン」を観た。

チラシに、「Do you come back?」と書いてある。
何かすっきりしない。
日本語で、「帰って来る?」と言いたいのを訳したのか。
でも「Do you 〜 ?」という問いは、何か継続することや繰り返すこと
つまり習慣のようなものを訊く時に使うように感じる。
じゃあ「Will you come back?」と言えばいいのだろうか。
でもそうすると、「帰って来る気あんの?」とか
「帰って来てくれますか?」といったニュアンスになってしまう
ような気がする。
なんだかおかしい。

なぜこんなひとことが書かれるかというと、
スライは蒸発していたからなのだ。

ファンクと呼ばれる中でも、スライ&ザ・ファミリー・ストーンには
何か特別の憧れのような思いがある。

ニューヨークでもなく、シカゴでもデトロイトでもなく、
オーガスタでもメンフィスでもミネアポリスでもなく、
サンフランシスコという活動の場も、バンドの雰囲気やサウンドに
あらわれているんだろうけれど、北米を流浪したことがあるわけでもない
私にゃあんまり知ったようなことは言えない。

バンドの音楽はどうにもこうにもファンクだが、ドラムやサックスは
白人メンバーだ。
1967年に出て来て、10年ほど華やかに活動して、消退してゆく。
バンドの核であるスライが、ダメになってしまうからだ。
それがどれくらい薬物のせいなのか、私はよく知らない。

その後スライはPファンクと活動したりもするが、
ついには音楽界から消えてしまう。
そればかりか、本当に行方不明になって消えてしまう。

その間、身近な家族、きょうだいや妻子はどう関わっていたのか、
2006年グラミー賞のステージに出て来た経緯はどうなっていたのか、
その後、発表するしないはともかく音楽活動らしいことはしているのか、
などなど、映画を観に行く電車の中で、20年来の疑問を
思い巡らせた。

オランダ人の監督と熱烈なファンである双子の男性が
スライの行方を追っていく。
もう一度スライが見たい。
というファンとしての気持ちに共感しながら映画を観る。
行きの電車で思った疑問は、映画の中でとけてゆく。

ライブに姿を現しても、またスライはどこかへ消える。
蒸発を繰り返していたのだ。
そう、「Do you come back?」で良かったのだ。

「今度もきっと帰って来るよね?」
いつかまたすごいアルバムを作ってくれるよね?
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