土曜日の「マツコとマツコ」で、紹介されていたロボットにはびっくりした。
ヒト型ロボットが車に変形して、車と同じハンドルとかアクセル、ブレーキで操作できる。
リアル・トランスフォーマー!
やはり、時代は21世紀になっていたのだった。
「チャッピー」は、「第9地区」(09)のニール・ブロムカンプが、AIを持ったヒト型ロボットを
ギャングに育てさせたら、どーなる?
って、なんとなーく、「マツコとマツコ」のネタ的な物語。
最初に、ニュース映像で、ロボット警官が大量投入されて、治安が改善されましたって、見せる
というのは、ヴァーホーベンの「ロボコップ」(87)だなあ。
ギャングにロボットがやられちゃう展開とか。
もう一つ、警察用ロボットがあって、これが「ロボコップ」の敵役のロボットに似てる。
で、チャッピーの元となるロボット警官のデザインが、パトレイバーに似ているのである。
どこかで監督に似てますよね、って質問したら、たまたまだよって
返していたように思うけど、
「パトレイバー」の影響はあるよ。
展開自体は、「攻殻機動隊」になってくし。
押井の実写版「パトレイバー」は、かなしい映画だった。
今回の実写版シリーズをはじめるにあたって、
押井サンは、伊藤和典とか、出渕裕とかのヘッドギアの面々に話しをしなかったらしい。
期待はしたけど、伊藤さんの脚本があって、押井の映画はリアリズムを得ていたのか、と
改めて実感。
今回の実写版は、「パトレイバー2」の焼き直しで、
全く同じカットで警視庁が撮られていたり、目新しいイメージはそれほどない。
森カンナは、それなりにいいけど、あれでは何にもわからない。
予算面の制約というだけでなく、根本的にどこか雑に感じる。
それは、「チャッピー」でも同じで、「第9地区」はよかったのに、「エリジウム」も今回も結構、雑である。
そこへ行くと、実写の「はじまりのみち」(13)を撮った後の、原恵一「百日紅〜Miss HOKUSAI」の充実ぶりはすばらしい。
今回の映画では、着物の衣擦れの音までもしっかり描き込んでいて、音の演出が特に印象的。
最近、テレビアニメを見ていると、効果音よりもセリフを詰め込んで、絵の展開よりもただただ、セリフで繋いでみせるという演出をやっていて、これはこれで、ありだなぁーと思っていたところ。
原さんは、余計なセリフは全くしゃべらせていない。
親父の葛飾北斎から、だから、おまえの絵には色気がないんだ、って、何回か言う。
それを受ける、娘のお栄の顔のアップは入るが、セリフは何にもない。
表情も特に、くやしがるとか、大げさにつけていない。
それが、実写を経て、原恵一が出した技かなぁと、思う。
江戸の街を俯瞰した絵から、巨大な橋とか、
デフォルメもされているだろうけど、
やはり目の見えない妹を意識して絵や音の演出を組み立てているのだろう。
そして、やはり、走る場面が出てきて、その直線的動きが、セリフに頼らない情動の描写として昇華されているように思う。
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