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2015年04月26日10:08

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人間の脳

この日記は、お断りしてあるとおり日記ではなくて思い出話です。

思い出というのは、言うまでもなく記憶です。ただ、しばしば指摘されるように、記憶が事実と多少あるいは大幅にずれたり、何かのきっかけ(刺激)で欠落するということは、起こり得ます。私が経験した、そんな実例をここに二つほど書いてみます。

大学2年だったか3年だったか、冬休みに中学時代の同級生と越後湯沢にスキーに行きました。正月明けの、冬休みももう少しで終わる頃、というのは、後日知ったことでした。

その年は雪が少なく、ゲレンデにはところどころブッシュが出ていました。私はそのブッシュにスキーを引っ掛けて転倒したらしいのです。

気がついたら、私は友人と一緒にリフトの乗り場に並んでいました。あれ?なぜ自分はここにいるのだろう?ここはどこだろう?いつからここにいるんだろう?何もわかりません。友人にその状況を話すと、始めはからかっていると思った彼も、順序立てて説明してくれました。今日は1月7日で、3日前からここへ来て今日これから帰ること。私が転倒した時にポールで頭を打って、ポールが曲がってしまったこと、起き上がった私が笑いながらポールを足で踏んで直していたこと。なるほどポールには曲がったのを直した形跡がありました。

要するに頭を打って記憶喪失になった訳ですが、面白いのは自分や友人の名前、自分の家の住所、電話番号などは、きちんと覚えているのに、その年の正月以降「事故」があった日までの記憶が、すっぽりと消え失せていたことです。その部分の記憶は、その後にもついに戻りませんでした。

もうひとつの事例ですが、かつて勤めていた会社の先輩で、記憶がしだいに変質する人がいました。同じ職場にいたり、上司だったこともあるので、近くにいる機会も多かったし、よく喋る判りやすい人だったので、同じ話がだんだん変わっていく様子が良く判りました。決して悪い人ではない、むしろ根っからの善人でした。従って、うそをついていた訳ではないことは明白ですし、何か意図があってうそをつくような性格の話でもありませんでした。ただ、同じ話を何度もするうちに、少しづつ変わってしまうのです。

こうして考えると、どういう構造になっているのかさっぱり判らず、神秘的に思える人間の脳も、コンピュータのメモリと大きくは違わず、あるショックでメモリが消えてしまったり、文字化けしてしまうような、不完全なものなのかも知れません。

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