人間の狭量さ

昨今のイスラム国の動向を取り上げて、「イスラムの連中は心が狭い」と喚き立てる方々は世界中にたくさんいる。確かに自分の信仰と異なる立場の人々を認めようという心持ちに乏しい傾向がイスラムの方々の一部にあることは事実だとワタクシも思う。近代世界というのは自分と違う主義主張の人たちと共存することを前提として成り立っているので、それを頭から否定する人たちと一緒にやっていくことはなかなか難しい。

でもさ、そうした態度って別にイスラムに限った話ではない。
アメリカの田舎では進化論を拒絶する敬虔なキリスト教徒がたくさんいる。そのこと自体は以前から知識として知っていたけど、この文章を読んで問題の根深さを再認識した次第ではある：
http://www.slate.com/articles/health_and_science/science/2015/03/teaching_human_evolution_at_the_university_of_kentucky_there_are_some_students.html　
（英語サイト）

筆者はケンタッキー大学の教授で、１年生を相手に一般教養の生物学を教えている。ケンタッキー州は進化論に反感を持っている住民が多いお国柄なのだが、そうした土地であえて進化論を説いている。クールにかつ論理的に学生に教えているのだけれど、一部の学生は決して進化論を受け入れようとしない。それは理屈ではなくて思い込みだから。

そうした人たちは世界中の何処にでもいる。もちろん日本にも。