これは私が書いた物語「白鬼の花」の続編?
「野うさぎと花」です。
未熟な文章ですが
しばらくお付き合いくださいませ。
大きな山を目の前に、小さな小さな野うさぎはただ立ち尽くしていました。
あれから何年が経ったのでしょう。
あの頃は毎日訪れていた山なのに、その山を懐かしく感じるどころか立ち入ることにひどく勇気がいりました。
山に拒まれている。
野うさぎはそう感じました。
よく晴れた空なのに風がやけに冷たく感じるのは
このフワフワの毛の中に眠る罪悪感のせいかもしれません。
山を見つめている内にどんどん胸が高鳴り、逃げ出したい気持ちでいっぱいになります。
ここから逃げてしまいたい。だけど…。
野うさぎは大きく息を吸い込み、ゆっくりと息を吐き出します。
「…さぁ、行こうか。」
自分で自分に言い聞かせるように言った声は、小さくも覚悟を決めた声でした。
一歩、また一歩とゆっくりゆっくり、しかし着実に山へと近づいていきました。
そうして一つの小さな影は山へと消えていったのです。
ある秋の午後のことでした。
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