『ねぇ』ねぇ 覚えていてねささやかな日常の何もかもが私には宝物だったあなたが他の誰かを想っていてもそばにいられて幸せだったねぇ 信じていてね私はいつか消えていなくなるけれどあなたとの未来を夢見ていたのは本当だったずっとそばにいたかった気持ち
洞窟は静まりかえっていました。野うさぎはめげずに叫びます。「白鬼くん!僕だ、野うさぎだよ!!白鬼くん!!!」それでも洞窟からは何も聞こえません。ただ自分の鼓動と手の汗とほのかな喉の痛みを感じるだけでした。「白鬼くん、入るよ。」落ち着いた声でそう伝える
野うさぎが目指したのは紅葉がきれいな場所でも金木犀が香る場所でもありません。それらを通り越し小さな小さな足は山の奥深くにある洞窟をただひたすらに目指していました。久しぶりに歩く山の中なのに記憶は薄れるどころかどんどん鮮やかに蘇っていくようで
これは私が書いた物語「白鬼の花」の続編?「野うさぎと花」です。未熟な文章ですがしばらくお付き合いくださいませ。大きな山を目の前に、小さな小さな野うさぎはただ立ち尽くしていました。あれから何年が経ったのでしょう。あの頃は毎日訪れていた山なのに、