「ご先祖様はどちら様」高橋秀実・著を読んだ。
著者は自分の先祖を探していく。
戸籍を調べたり、本籍地に行ったり、寺の過去帳や墓石を調べたり。
地元の古老の話を聞いたりもする。
だけど親の親の親の親あたりで、何が何だかよくわからなくなる。
ということが書いてある。
だれが読んでも面白い本じゃないだろう。
だけどわたしは楽しかった。
ずっと以前同じようなことをしたからだ。
自分の親の親の親と、ずっと辿っていくとどうなるのだろう。
単純な好奇心だった。
最初は父親の母親、父方の祖母の先祖を調べてみた。
このおばあちゃんとは死ぬまで同居だったし、わたしを可愛がってくれたから。
おばあちゃんの本籍は大阪市中央区。
中央区役所へ行った。
大阪城の近くで、大都会の真ん中だ。
おばあちゃんはこんなところで生まれたのか。
除籍謄本をもらおうとしたら
「ありません」と言われた。
戦争で焼けてしまったそうだ。
ということで、おばあちゃんの祖先は曽祖父、曾祖母の名前しかわからない。
こんどは父方の祖父を調べることにした。
わたしの苗字はこっちの先祖から受け継いでいるのだから。
おじいちゃんの本籍は岐阜県の山奥だった。
長野県境に近く、山の中に小さな田んぼと集落があるだけの田舎だ。
さすがにこういう所は保存が良かった。
壬申戸籍を見せてくれた。
明治になって最初に作られた戸籍。
さらにお寺へ行くと過去帳も残っていた。
これを付きあわせて天保時代まで遡ることができた。
わたしの6代前の先祖だ。
ところがここで問題が起こった。
6代前の先祖は、まかみし家へ養子に入った人だった。
実の親は「勝仁左衛門」という人。
わたしの遺伝子は、まかみし家ではなくて勝仁左衛門という人から流れている。
もう、まかみし家などどうでもいい。
ところが、勝さんという人がどういう人なのか、さっぱりわからない。
その田舎の集落には勝という苗字がない。
ということで、ここで行き止まりになった。
この本にも書いてあるが、ほとんどの人は先祖を調べても明治時代か江戸時代後半で終わってしまう。
由緒正しい家柄なら別だけど。
だけど、そういう家も養子をとったりしている。
生物学上の親を辿っていくことは、すごく難しいことだ。
ところで岐阜の山奥で生まれた青年と、大阪のお嬢さんがどうやって結婚したのか?
どうして名古屋に住み着いたのか??
これもよくわからない。
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