前回の日記からの続き。
次は水平社博物館へ行った。
奈良市の南の方の御所市にある。
江戸時代に穢多非人と呼ばれる人たちがいた。
社会的に差別されていた。
明治時代になっても特殊部落と言われて差別された。
大正時代になって、部落の人たちが水平社というのを作った。
差別をなくそうという運動だ。
これがずっと続いて部落解放運動になった。
いまではかなり改善された。
というのが、わたしの部落問題の知識のほとんど。
同和教育というのを受けたことがないからなあ。
そういうわたしが、この博物館へ行ってどう感じたか。
この建物は御所市柏原というところにある。
水平社運動の発祥の地だそうだ。
水平社の発足のときの中心人物は、みんなこの土地の出身らしい。
周辺マップを見ると、誰々の生家跡なんてのが書いてある。
ここは「人権のふるさと」だそうだ。
日本にはいろんな町おこしがあるけど「人権」で地域を盛り上げようというのは珍しい。
建物は異常なまでに立派な鉄筋コンクリート。
総工費7億円もかけたそうだ。
2階が展示室になっている。
水平社の歴史とともに、関係者の写真や遺品が飾ってある。
といっても知らない人ばかり。
かろうじて名前を聞いたことがあるのは松本治一郎と朝田善之助ぐらい。
どうにもつまらない。
部落マニアとかオタクが見ればお宝だらけなんだろう。
ファンタビューシアターというのがあった。
これがいちばん面白かった。
京都岡崎公会堂での全国水平社創立大会を再現した部屋だ。
映画が上映される。
現代の親子がタイムスリップして1922年の創立大会に来てしまうという内容。
部屋の中は公会堂の会場を模してある。
自分が創立大会に参加しているようだ。
出口付近に最悪な展示があった。
参加体験型コーナーというやつ。
有名な錯視の図が載った本が置いてある。
同じ大きさの円なのに違って見えるようなやつなど。
錯誤から差別が起きるということか?
あまり関係ないぞ。
上下から空気が吹き出てビーチボールが浮かんでいる機械もあった。
だからどうしたというのだ。
意味がわからん。
あといちばん変なのが「映像の中の自分」というの。
モニターの前に立つと、自分の顔を撮影される。
スライドショーが始まる。
キング牧師の集会や部落の風景が映る。
そこの登場人物として、自分の顔がはめ込みで登場する。
黒人になったり、部落民になったり。
人は生まれる場所や境遇を選べません。。。
わざとらしいなあ。
アホと違うか!
それから展示全体からの印象。
まず最初に、地元の歴史が紹介されている。
柏原という部落は昔から裕福であった。
ニカワの生産で儲けていたようだ。
次に地元出身の若者が中心となって全国水平社ができた経緯が紹介される。
郷土の偉人が日本を変えたのだ。
ということは、部落解放運動は金持ちの運動だったのか?
それでいいのか??
地元を自慢したい気持ちはわかる。
でももうちょっとストーリーを考えたほうがいいと思う。
部落解放は時代の流れで、御所の人たちはきっかけを作っただけというような。
なんだか酷評しているようだけど、なかなか良い博物館だった。
直前に観た東洋民俗博物館が、あまりにも素晴らしかったので見劣りしただけ。
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