先週福島県へ行った。
磐梯山に登ったのだが、真の目的は即身仏の拝観だった。
福島県には一体だけ即身仏さんがいる。
郡山市から南へ30キロほど行ったところ。
栃木県や茨木県にほど近い。
浅川町の貫秀寺というところだ。
11月20日(土)
郡山市内からお寺に電話予約する。
男の人が出た。
「何人で来ますか?えーと、ちょっと待って下さいよ。。。うーん、わかりました。」
どういうことだろう??
行っちゃいけないのか??
まあいいや。
地図を見ながら走っていく。
最後は田舎の細い道の脇にお寺を見つけた。
墓地の隣に大きな古家がある。
どうみても普通の田舎家だ。
たぶんこれがお寺だろうということで引き戸を開ける。
中から愛想の良さそうなおばさんが出てきた。
「いらっしゃい
」
あーよかった
田舎家の横にお堂があった。
薬師堂と書いてある。
この中に即身仏さんがいるようだ。
おばさんは鍵を開けてくれた。
中には薬師如来像と古い棺桶と即身仏さんを入れた厨子があった。
これらはみんな関連がある。
薬師如来像の下の台座の部分が石棺になっていて、即身仏さんが入定つまり自殺した入れ物だ。
発掘したときは石棺の中のさらに棺桶に入っていた。
それが隣の古い木棺。
そして厨子の中には即身仏さんが安置されていた。
92歳でミイラになったそうだけど、ずいぶん表情が可愛らしい。
体操座りなんかして、手を横に合わせてしなを作っているような感じ。
皮膚もたくさん残っている。
眼球が二つとも眼窩にくっついている。
日本では2番目に古くて、江戸初期のものにしては保存が良い。
おばさんの話を聞くと、昔から地元の人に大切にされてきたようだ。
だから今になってもきれいに残っているのだろう。
この即身仏さんの所有権はお寺ではなくて、地元の自治会かなんからしい。
お寺は場所を提供しているだけ。
長野県阿南町の即身仏さんと同じだ。
地元密着こそ正しい姿。
関係ないけど、名古屋の地元アイドルSKE48を連想する。
それにしてもここに拝観に来る人は、あまり多くないようだ。
来た人はもれなく芳名帳に記名するようだけど、今月になってわたしたちが初めての書き込みだった。
もっと即身仏拝観の素晴らしさを、多くの人に知ってほしい。
わたしたちは、おばさんにお礼を言ってお寺を出た。
あたりは静かな、ちょっと田舎の風景だった。
即身仏さんが隠れ住むにはちょうどいいかもしれない。
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