富士山に初めて登ったのは20歳ごろのことだった。
なんでもいいから一度高い山に行ってみたかった。
じゃあ、やっぱり富士山しかないなあ。
ひとりで富士山の五合目まで行ってみた。
よくわからないまま登りはじめた。
ちょうど自分のすぐ前にベテランっぽいおじさんがいた。
荷物も本格的で、足取りもゆっくり確実な感じ。
勝手にあとをついて行った。
おじさんは八合目の山小屋で泊まった。
わたしもまねをして宿泊した。
夜はおじさんにいろいろ山のことを教えてもらった。
すごい人だなあ、ベテランだなあ!
翌日、ちょっと曇っていて天気予報も雨が降るということだった。
おじさんは「わたしは勇気ある撤退をします!」なんて言って、さっさと降りていった。
どうしようか。。。。
でも周りの人たちは、みんな登る準備をしている。
ひとりの人に聞いてみた。
「大丈夫でしょうか?今日は登れるんでしょうか?」
「こんなのどうってことないよ!天気が悪くて下山していたら、ずっと頂上には行けないよ!」
そういうものか。
じゃあちょっと行ってみよう。
その人の言ったとおり、まったくどうということもなく頂上に着いた。
今から考えれば、あのおじさんは口先だけの経験が少ない人だったんだろうなあ。
それから富士山には何度も登った。
雪があるときも何回か。
明日も富士山に行ってくる。
こういう暑いときだけど富士山の頂上は快適に寒い
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