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2024年04月23日18:23

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メタリックルージュ

「真紅の命 果てる時まで」

ボンズ設立25周年記念作品のオリジナルアニメ『メタリックルージュ』全13話を見終わった感想とレビューを描いた絵と共にまとめる。


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━━━▲▼■『レビュー』■▲▼━━━

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■評価ランク【A】

■属性:近未来SF(洋画ブレードランナー)+美少女バディ+変身アクション。


■『あらすじ』

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人間と人造人間「ネアン」が混在する火星を舞台にした近未来SF。

一見共存しているように見えるが、ネアンは「アジモフコード」により人間に逆らう事は許されず、奴隷のように備品扱いで使い潰されていた。
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そんな世界で「人間に逆らう事が出来る自由なネアン」が存在していたら。

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その特殊なネアンは9体、「インモータルナイン」と呼ばれ、「グラディエーター」という戦闘形態に変化でき危険な兵器となる。

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政府からその9体の殺害の命を受けた主人公ルジュとバディのナオミの戦いが始まる。





■『キャラクター』

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デザインは主人公のルジュは良く、他は普通くらいだろうか。
絵柄がスタイリッシュ系で全体としては作品に合ったいい雰囲気に繋がってると思うからなかなかだが、やや地味(キャラクター性が弱い)にも感じるから人気出そうなキラーキャラがもっといた方が良かったと思う。

変身姿のグラディエーター形態のデザインの方が評価点高い。
アニメで表現するために情報量をそこまで増やせない制限がある中、個性とかっこよさを充分両立出来ていて、特撮好きも満足出来そうなデザイン性の高さ。
この点から☆+1の4とした。



■『音楽』

全体的にセンスを感じられ、満点評価でも良かったかもしれない。
OPEDも秀逸。




■『内容』

普遍的なテーマ性を持ったシリアス寄りの作品。
平成初期から中期頃の深夜アニメの雰囲気があり、欠点も相応。

クールな雰囲気のスタイリッシュ系でやや珍しい。
途中からエンタメ性を上げてくるため、面白味としてはスロースターターといえる。

最初はよく分からない状態からいろいろ知って世界が広がっていく、謎を追っていく作りで、主人公ルジュと似た視点で見ていく形。
伏線は結構はってるが分かりにくく、さらにSF設定を使ってるため予測はしづらい。
故に意外性あったり内容にギミックがある作り。


・『利点・強み』

特に際立った長所は2つ。

・「全体的にクールな雰囲気で洋画っぽさも感じ、絵柄などややスタイリッシュ路線」

・「高レベルの作画に準じたバトル、アクション」。

 ただ、メリハリや駆け引きなどの工夫がちょい足りない感はある。


・『欠点・惜しい点』

・「最大の欠点はスロースターター」

 美少女バディものとしての掴みの部分がちょい弱かったのが商業的には特に惜しいと思う。

・「盛り上げ、序盤の掴みがちょい弱く、全体的に物足りなさと中途半端感がやや残る」

 何の情報も無しに1話を見ると後味が微妙でモヤっとした感じで終わっちゃうんで、方針、目的が分かりやすいPVなどをまず見ておいた方がいいと感じた。

・「分かりにくい」

 ネットで結構言われていたし、理解できなければおもしろいつまらない以前の問題だ。
 5話が顕著で、以降で説明や理解出来る作りになってるものの、一昔前の深夜アニメではちょくちょくあった、視聴者が置いていかれてる感がある。
 これはこの作品自体の作風、シナリオ制作者の癖で全体に及んでて視聴ハードルを上げてしまっている。


■『総評』

変身バトルもの好きならオススメ!と言いたいとこだが微妙に言えない感じかw
なかなか良かったが、SF作品としての内容がメイン感。
良さげな点も多いが惜しい点も結構あるっていう、全体的に中途半端な印象になったのが惜しいな。
内容は結構詰まってるんで見応えはしっかりあるし、作画なども合わせアニメ会社の周年記念作品として力入れてるのは伝わる一作。




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━━━▲▼■【関連LINK】■▲▼━━━

■「8話まで感想」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987263054&owner_id=5239087

■「9〜11話感想」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987307663&owner_id=5239087

■「12〜13(最終)話まで感想」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987366384&owner_id=5239087




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━━■『感想(ネタバレ有り)』■━━

放送前の予告CMでパっと見の時点で好みだったんで期待してた。

作画クオリティはやはり高くて予想通りだが、中身がなんか違う感じだなとは思ったし序盤は内容かなり心配な気配あった。
地味にモヤっとした感じで終わりそうっていう印象。
だが途中からなかなかだなと。

メインテーマは自由と自らの意思かな?

ルジュの精神成長と共に考える事の重要性と、機械より人の優れた面を考えさせられたな。
また、機械の危うさと自分の意思の無い事の空虚さ、問題も感じられ、人間にとって大事なものを改めて問いかけられた感じだな。


グラディエーター形態はどれも結構良かったが、特に好みのはメタルルージュ、閃光のシルヴィア、漆黒のノワールかな。
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展開で特に予想外だったのは2話の昔話みたいのが伏線で、後半急に風呂敷広げた事。
絶対これ話まとまらないだろとw
実際簒奪者の方はオマケ程度で終わったが、本題をしっかり終わらせたんで安心した。
大元との戦いの続編を想定した序章として作った作品だったなら風呂敷広げたのも納得だが、二期報告は無かったしこれは想定通りの展開だったのだろうか。

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美少女バディものっていうキャッチーさをもっと早めに活かせてたら人気は違ったかもな。
まぁこれを好むオタ層とスタイリッシュ系が相性悪いからそもそものコンセプトが商業的には難しいか。
コメディ描写とか楽しげな日常も含め良さげなのが全部中盤以降に感じられたのが勿体ない。
シアンもいいテコ入れだったけど、内容の盛り上げも含め1クールものなのに全体的にエンジンかかるの遅い感ある。
ナオミの信用ならない感じは本心を気にさせて中盤展開的には良かったけど、バディものとしてはちょいネックだったかもな。
最後は設定をかなり活かせててバディものらしさをかなり感じられる作りで良かった。


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「犠牲の上に成り立つ世界」

人類が火星で生活してるのは他のSF世界みたいにそういうものだと疑問に思わなかったが、大元のそこ自体も設定として重要だったのは意外だった。
この舞台自体がネアンの犠牲の上に成り立つ世界の象徴であり、序盤からずっとネアンの悲惨さが描かれてたなと。
同時にそれは人間などの悪質さであるとも言える。
このせいで人間寄りのエデンなどの説得力が弱く感じてしまったし、劇中で否定されてるシルヴィアの方が妥当に感じてしまう問題が発生していた。
その後の人類管理方法は問題に思うが。
制作側はこれは意図的だったのだろうか。
ネアンを感情の無い作業ロボットにしておけば問題が無くなるため、作った奴らの倫理観と想像力の無さが問題だな。
大元を辿っても、悪質な科学者のせいで大量の悲劇が生まれた話でもあるな。

ネアンの待遇は人間と同レベルに改善すべきだと思うが、そもそもネアンを大量に作った事自体が人類の最大の失敗だとも思う。
便利なオーバーテクノロジーを急に渡されたら多様したくなってしまうのが人間というものだし、ここもリアルではあるが。
そう考えると宇宙人との接触は人類にとって早過ぎる存在であり最大の害だったとも思う。


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「ネアンを通して描かれる迫害、差別などの人間の悪質さと攻撃性」

王道の人間と人造人間の共存や関係性を掘り下げるのかと思ったが、そうじゃなく人造人間の物語だったのも意外だったが、これで良かったのだろうか。
人類は悪質な奴が多いせいで変わる事が無かったってのが答えだからな。

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故に人造人間側が自ら反抗する自由を得るしか無かったという結果は、過去の人間の歴史を見ても非常にリアルではある。
ネアンは人間とほぼ同一存在であるため、こういう構造になる原因は種族の違いだけでないって事も感じられる。
現代ですら同じ人間同士ですら未だに戦争は複数国で行われ、ネットでは無用な誹謗中傷が繰り返され続けている。
成体チンパンの悪質さと凶暴性考えると、派生種の猿もどきはこんなもんで妥当と言えるのかもしれんが(苦笑)。
人類が変わらない時点でこういった無駄な悪質さは絶対に無くならないという人間の本質の一つをこの作品は改めて見せてきた感があった。
この人物描写のリアリティは作品としての強みかもな。

それと同時にルジュの精神的成長と答え、刑事アッシュの人柄などまともな奴との差も大きく、一部人間の個体差はとても大きいと改めて感じられた。
惜しむらくは、ルジュが人間側も擁護しようと思うだけの描写がちょい足りないから、結論に対する説得力が弱め。
ハーフの兄、アッシュ以外にも良心的な人間ともっと交流させたり人間の価値を感じさせるべきだったと思う。
まぁルジュのキャラ的にこの二人で充分、ネアン側だからこそ人間と同じような追いやる真似はなるべくしたくないって心情だからで説明はつくけども。


━━━▲▼■『考察』■▲▼━━━

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・「OPで印象的な羽の生えたメタルルージュは何だったのか」

これめちゃ目立ってたのに本編で一切やらないとか予想出来た奴いる〜?
いねぇよなぁ!w

俺はメタルルージュ一体で他ナイン全員倒すって計画自体がそもそも無理あると思ってた。
だからこういうリミッター解除モード的なのがルジュにだけ備わってて強いとか予想してた。
もしくはナインの反逆を想定し、全てを一体で制圧するためのそのときのみ使える緊急限定解除モード的な奴。

伏線回収出来てないみたいでマイナス評価入っちゃいそうな気もするが、これおそらく本編の前、過去の映像ではと。
故にOPで見せてるけど本編でやらなかったって事では。

根拠は、ルジュの昔の記憶がおぼろげな事。
ラスト手前でナオミが負けたらまたあんたを…って一言。
この伏線もその選択をしなかったから回収されないまま終わってる。
グラディエーター形態のさらなる力を使う場面なんて同類と戦う以外だと、簒奪者と戦った前の戦争のときくらいしか無さそうだし。
イドを抜かれたネアンは記憶が薄れていくってのも伏線で、このモードを使ってイドに高負荷がかかった代償で記憶が薄らいでるんじゃないかと。
もしくはこれによってイドが壊れたからバックアップから複製したせいとかか。


また長くなっちゃったからこんなとこにしとくか。
それだけ中身のある作品でもあったし充分楽しめたな。
制作者たち、お疲れ様でした。GJ!


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