戦士の使命

カミさんへの誕生日プレゼントは、古いゲームソフトでした。

・ガメラ3 邪神覚醒

ストレートな怪獣災害・バトルものの面が強かった前2作から、ガメラの巻き添えで家族を殺された少女の復讐のドラマを中心にしより人間目線からの怪獣の脅威と恐怖をウエットに描いた作風は胃薬必須なほどに胸が締め付けられ「ガメラ頑張れー」と無邪気に応援していた背中に冷や水を引っ掛けられた気分になる。ただ(虐めで強制されたこととはいえ)惨劇の元凶かつ戦犯であり、ともすれば嫌われる要素満載の主人公・彩奈に関しては前後の描写、演出が巧みで過剰なヘイトが行かないよう気遣いもある。
前作に続き自衛隊の協力を得た戦闘機とのチェイス&バトル、渋谷での人類をゴミクズのようにカッ飛ばしながらのギャオス戦、京都駅でのイリスとの対決はどれも迫力と生々しさを兼ね備え圧倒される。なんといっても美しく格好良くおぞましくもあるイリスの極上の造形は個人的にレギオンをも凌ぐ。仲間由紀恵ミイラがよくネタにされるが、イリスに襲われた人間の末路はしっかり恐く描けている。惜しむらくはドラマに尺を割いた分、質はともかく量が物足りないところか。特にイリスとの取っ組み合いはもう少し楽しみたかったところ。
絶望の未来にそれでも立ち向かうラストは思わず雄叫びとエールを送りたくなる満点のもの。

・ザ・キング・オブ・ファイターズ

だいたい「ドラゴンボール・エヴォリューション」と同じ感想で事足りる気もするのだが、DBよりコジャレた世界観と美男美女揃いな分、余計にアイタタタな惨状が強め。
キャラがちっとも似ていないため会話の内容から推測するのだが、不知火舞と恋人同士っぽいのでアンディ・ボガードだろうなあと思ったらまさかの八神庵だったり、肩幅の広さでキャスティングされたのだろうオバチャン神楽ちづる、ハゲてないイケメンMrビッグ(すぐ死ぬ)、ボケ老人と化した草薙柴舟、マチュア×バイスの百合、CIAのテリー・ボガードともはやゲームに沿った設定を探す方が難しい。極め付けは敵役ルガール・バーンシュタインで、機関銃は撃つわ八咫鏡で殴るわホッケーマスクとユニフォームではしゃぐわ二次創作でもお目にかかれない狂った描写がてんこ盛り。演じているのがレイ・パークなのでアクションのクオリティは高く、彼以外の演者もまあまあ動けているのは救いだがカメラがぐわんぐわん揺れて見づらいせいで格闘アクションとしてもB級の域を出ない。
噛み合わない会話で構成されためちゃくちゃなストーリーに何も関係がない舞が主役というのも混乱に拍車をかける。
イワタタカオって誰だよ。