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2023年10月04日20:42

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小説を作成しました!「続きのひび」

※ 一人称小説ですが、良かったら是非、朗読の台本としてもお使いください。
金銭が絡まなければ使用自由。
大幅な改変等はツイッター @annawtbpollylaまで要許可申請。

自作発言は厳禁です。 ※

※1 今作自体は小説という体裁で作られていますが、
声劇台本である「二方美人(にほうびじん)。」の第二世代シリーズです。
「二方美人。」やそのシリーズを知らなくとも当小説単独でもお楽しみいただけますが、 同シリーズ作や派生作品も読んでいただければとても幸いです。

(以下リンク)

「二方美人。」(1:4)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1958862956&owner_id=24167653

「二方美人。」シリーズ及び関連作品のみのまとめ
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1964303733&owner_id=24167653

※2 当作品及び今後制作予定の第二世代シリーズの、世界観や登場人物の説明まとめ。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1984088366&owner_id=24167653




「続きのひび」



 二十三時五十九分、五十秒。一、二、三、四、五、六、七、八、九。

 十八歳の誕生日が終わり、日付は九月十七日に変わった。

 良い一日だった。昨日ほど沢山の人に祝われた日は無かった。朝、頭痛に耐えながらなんとか起きてリビングに行くと、すぐにお母さんとお父さん、そして兄さんに「おめでとう」と言ってもらえて、学校でも友達や先生と挨拶を交わす度にそう言ってもらえて、バイト先でも先輩達に祝ってもらえて、そして家に帰って家族みんなでケーキを食べて。こんなに充実した一日も無いだろう。

 「おめでとう」と言ってくれた友達達の中には、八紅(やこう)さん達や美穂さん、それに寿和(すわ)君達も居る。人の心の中なんて分からないけど、少なくともお祝いはしてくれた。彼らにとって僕は、生まれた日を祝う気持ちを向ける相手ではある。その事実が嬉しいし、達成感を覚える。簡単な道のりじゃなかったし、苦労も多かったけど、なんとかここまで辿り着いた。

 僕の夕星(ゆうつづ)という名前は、両親が僕に空に輝く星のように沢山の人達に囲まれて愛される人になってほしいと思ってつけたものらしい。その願いは十八年かかって、やっと叶ったのかもしれない。昔より成績は落ちたし、バイトもまだまだ慣れない事や悩み事も多いけど、それでもなんとか日々を頑張ってるよ。誕生日を沢山の人に祝ってもらえる人になれたよ。

 僕はそれを「君のお陰だ」って言い張る。君との事があったから、今の僕が在る。今の僕に、君が居たからこそ辿り着けたんだって言い張ってやる。朝翳(あさか)君、君は今、どこで何をしているんだろう。元気でやってるのかな。高校には進学したのかな。それとも就職したのかな。仲の良い友達も居るのかな。君の事だから、友達が居なくてもそれはそれで一人で頑張ってるのかもね。



 高校生活、この三年間を振り返ると、つくづく僕に恋愛というものはまだ早いと感じる。そもそも僕がそれを求めていないし、望んでいないのだから。特定の相手も居ないし、相手が望んでくれた事が嬉しくて、僕も相手の良いところを沢山知っているからとお付き合いをしてみる。その判断はことごとく失敗に終わった。結果として沢山の女性を傷付けて回ってしまったし、それによってせっかく一度は結ばれた友達という名の縁が解け、恋人という名の縁は千切れ、多くの場合そのまま心は離れ離れになってしまった。

 肉体は近くにあるのに、触れ合う事は二度とない。声をかける事もできない。心が通わない。僕はその切なさを嫌というほど知っているのに、その気持ちを沢山の人に味わわせてしまった。ならばと最初からきっぱりと断っても、それはそれで相手が傷付く事に変わりは無かった。どうしたって相手が恋心を抱いた以上、僕が同じ気持ちを抱けない限りは傷付けない未来には辿り着けない。

 それなら男子とばかり仲良くしていればもう誰かにそんな気持ちを味わわせる事が無くなるのではないかと考えもしたけど、世の中そんな単純にできてはいない。世の中、異性だけが恋愛対象となる人だけしか居ないわけでは無いのだから。友達として接していた男子が僕に恋愛対象としての好意を持ち始める事が何度かあり、どうにかして傷付けないようにと思っても結局上手くは行かなかった。



 振り返ってみれば勉強もバイトも、そんなに良い事ばかりで全部上手く行っていたわけではなかった。人間関係はその比じゃないほどに前途多難で、なんでそうなるんだよ、なんでずっと友達としてだけの関係で仲良く居られないんだって何度思った事か。それでも、どうにかこうにか、なんとか傷つけ合わずに済む道が無いか、話し合いの余地が無いか探して回って、そうしてようやく得た愛縁(あいえん)達がここにある。

 頑張ったよ、ほんと。あの時我慢して良かった、あの時怒らなくて良かった、あの時あれを言わなくて良かった、あの時諦めなくて良かった、あの時相手の善意を信じて良かった。沢山の「あの時」を全部乗り越えてきたからこそ、今がある。ありがとう、みんな。中には僕が何度も傷付けてしまったのに、それでも僕をその輪に置いてくれてる人達も居る。僕が沢山の事を乗り越えてきたように、皆も僕のために沢山の事を乗り越えてきてくれたんだよね。

 でも……。いや、なんでもない。朝翳君。君は今頃、何を思っているのかな。起きてるのかな、寝てるのかな。僕の誕生日をどんな気持ちで過ごしたのかな。全然何も気にしてないのか、そもそも覚えてないのか、それとも……沢山苦しんで、傷付いて過ごしたのかな。そうだったら良いな。

 僕の初めての友達は蛍(ほたる)君なのかな。もしかしたら蛍君と仲良くなるよりも前に、名前も全く覚えてない、どこかの公園で遊んだ誰かが初めての友達だったのかな。……ただ、今それはどうでも良い。初めての友達じゃなくても、今では友達じゃなくても、それでも僕にとって何にも代えがたい友達。決して揺るがない無二の友達。それが朝翳(あさか)君。

 君を失った事実があったから、僕は周りの人やその人の大事なものを大事にする事ができるようになったんだ。八紅(やこう)さんの髪留めを班のみんなで探して、一日かけて見つけ出したあの思い出は多分ずっと忘れない。あの時一緒に探した皆は、沢山の友達の中でも特に特別な四人だよ。

 特別、そう。特別。八紅(やこう)さん、霧島(きりしま)君、羽々咲(はばさき)さん、水原(みずはら)君。みんな、特別。それに、寿和(すわ)君達も、彼らは彼らで特別。僕に一度恋心を抱いてくれて、その上で、その気持ちに背かれたのに、それでもなお友達として接してくれている男子達。本当に凄いと思うよ。きっと凄く苦しいはずなのに。苦しい、なんてものじゃないはずなのに。素直に敬意を表すよ。彼らもまた、特別。……でも。……やっぱり君が一番特別だよ、朝翳(あさか)君。言っちゃって良いかな。だめだよね、分かってる。他の誰を得たって、どこにもあの時間の欠片なんて見つからないんだ。なんて失礼極まりない事だろう。くっくっく、失礼な奴だなあ。ほんっと、失礼極まりない奴だなあ。



 朝翳(あさか)君、僕は最初、小学二年生で君と同じクラスになってすぐの時は、君の事が嫌いだったよ。いつも勉強していて、テストでも毎回満点を取っていて、それなのにテスト中はギリギリまでずっと見直しをしていて、しかも君の当時の朱華(はねず)という苗字は大人からすればその苗字を聞いただけで「あの会社の一族だ」と分かるものだったらしい。誰よりも勉強ができて、それでいて誰よりも努力家で、大手企業の社長の息子でお金持ち。僕はそんな君の、何もかもが嫌味に感じてしまっていた。

 でも、ある時そんなひがんでばかりの自分が格好悪いと思い立って、僕は君に何か一個でも勝ちたくて、君を真似て、時間ができれば常に勉強をするという事を癖にしていった。僕達が通っていた小学校のテストは、流石に君のように毎回毎回必ず満点を取るというのは難しいけど、入念に準備さえしておけば二回に一回程度の割合で満点を取るくらいの事ならさほど難しくはなかった。ただ、君を追いかけ始めると、前よりもっと君の凄さがよく分かるようになっていった。たとえ君と一緒に百点を取る事ができても、僕の百点と君の百点では意味が違う。

 そして、君を少しずつ知るようになると、僕が最初そうだったように、君という人間が特に何も悪い事もしていないのに頭が良くてお金持ちであるというだけで嫉妬されて、勝手にクラスの他の子達から嫌われているという事もまた、よりよく分かるようになっていった。僕も聞いた事がある、朝翳君や朝翳君のお父さんに関する噂話も、特に根拠の無いものばかりで、きっとそれらもひがみから来るものだったのだと思う。



 僕は僕で最初、君にひがんで君の事を歪めて見てしまっていたものだから、無性に抗いたい、みたいな。自分は周りの他の子達とは違うんだと思いたかったのかな。とにかく君と「なるべく普通に接する」という事に固執していたのを覚えてる。君が小学三年生だか四年生だかの頃に「先生は食料自給率の低さを悲観しているけど、実際自国で作るより他の土地や気候条件の適した国に任せて日本は日本の得意な産業を活かしていくのも間違いじゃないと思う」なんて言い出した時には内心ひどく劣等感にかられたものだけど、その気持ちも必死に抑えて表には出さなかった。

 君は自分からお金持ちを自慢する事は無かったけど、それだけに余計と他の子がそのあたりの嫌な噂話を流す事が多くて、その中にはこれは根も葉もない事じゃなくて半分くらい本当かもしれないと思うような内容もあって、そういうのを聞くと気にしないよう気にしないようにと思いながらも、正直平静を装うのが楽ではなかった。それに自分から見せびらかしてはこなくても、服一つ取っても高い頻度で新しいものを買い与えられている事や、その一つ一つが高くて丈夫なものだという事は否が応でも伝わってくる。あの頃の僕は、毎日が自らの醜い感情と戦う日々だったよ。人間とはこんなにも醜くて、すぐにひがんで嫉妬してしまうものなのか。どうして自らの意に反して涌いてほしくない感情ばかりが生まれてきてしまうのか。小学校の低学年から中学年の子供には荷が重すぎた。

 それでも僕は「あの話って本当?」だなんて訊く事はしなかった。それはすごく下品であり、自分の中の邪念に負けた気になると思ったから。そうして君とずっと接していると「勉強ができる」「努力家」「お金持ち」以外の面でも、君について知っている事が少しずつ増えていった。例えば君は、僕と違って勉強中に物音や周りの声がうるさくてもそれで集中力を切らす事は全然しなかったり、宿題を写させてほしいだとか忘れた物を貸してほしいだとかのお願いに絶対に応じなかったり、人から何かをしてもらった時は必ず「ありがとう」より先に「申し訳ない、迷惑をかけた」と言ったり、お誕生日とかでもプレゼントを交換するという事をしたがらなかったり。それと、何よりも強がり。他の子から何か嫌な噂話を流されても全然気にしていないような、素知らぬ様子で涼しい顔をしていたり、体育の授業中に熱中症になった時も倒れる直前まで平気そうにしていたり。



 そんな朝翳君について、父親が自身の会社のお金を盗んで……正確には横領をして逮捕されたという話を聞いたのは、小学五年生の秋だった。僕は最初またいつものひがみからの根も葉もない空想かと思っていたけど、テレビやネットでそのニュースを見て、これはいつものとは違う、本当の事だという事を知った。

 僕はまた、いつもの通りまるで何も知らないかのように君と接し続けた。その一方で君はその事について何一つとして自ら口にしなかったし、他の子から訊かれても無視していたが、その様子はその事件を肯定するように大きく変わっていった。まず、いつもどこで手に入れているのか分からない、難しそうな勉強の本を持って読んでいたのが、ネットで無料で問題集を公開しているサイトを何か所か押さえて、そこに公開されたものを解くようになっていった。そして、それまで残しもせずおかわりをよそう事もしていなかった給食を、見るからに苦しそうな表情を浮かべながらも毎日毎日、時間ぎりぎりまで何杯もおかわりをするようになった。着てくる服も昔と違って二〜三種類を交互に着まわすようになったし、また、その顔色も日をまたぐ度に見るからに不健康そうになっていった。



 そして、六年生になった時、朝翳君の苗字は「朱華(はねず)」から「小灯(こあかり)」へと変わった。本人に訊く事は無くとも、親に訊いたりニュースを調べたりなどして、父親は取締役から外され、会社自体も他の会社に吸収された事は知っていた。それに、同じ学区内で引っ越した事は親から聞いて知っていた。苗字が変わった理由は知らなかったけど、多分両親が離婚したのだろう。僕は意地でもそれを朝翳君に訊いて確認する事はしなかった。

 僕は引き続き君の前では、何も知らないし、知っていたとしても興味も無い。そんなふりをし続けた。それが、僕と君との間においては正しい行いだと信じていた。今にして思えばずっと前から、本当に正しい事は何なのかを考える事を放棄し、素知らぬふりをし続ける事が正しい事だと早々に結論付ける事で悩む事から逃げていたのかもしれない。でもそんな言いぐさは意地悪というものだ。素知らぬふりをし続けるのも、どれだけ大変だった事か。向こうが自分から言って来ないなら、それはきっと訊かれたくない事だ。少なくとも言いたい話ではない。その判断はきっと大きくは間違っていない。



 僕と君は同じ中学に進学し、そこでは三年間一度も同じクラスにならなかったけど、お昼休みや授業後に図書室に行くと君はいつもそこに居たから、よく一緒に勉強したよね。家の事で色々あったし、小学校と中学校とではテストの難易度も違うから、君は毎回満点というわけではなくなったけど、それでも毎回学年一位の成績を取り続けていた。

 その頃になると、僕は家のあれこれ、お金のあれこれについての話は避けていたけど、勉強の話は避けなくても良いのかなと思うようになっていて、毎回「今回も一番かあ、やっぱり凄いね。でも僕も〇〇位だったし、次はきっと勝つよ」などと言ってよく一緒に勉強をして、最終下校時刻になると一緒に帰る。それが習慣だった。

 僕の成績は基本的になんとか一桁に入れるかどうかってところで、最高でも三年生の時に一回だけ取った三位がやっとだったから、正直なところ「いくら頑張ったって勝てるわけ無い」と思う気持ちも否定はできなかったものの、それでも口では「次は勝つ」なんて言って、自分なりに頑張って勉強していると、君はたまにふっと小さく笑みを見せる事があったよね。僕はそれが大好きだっだよ。



 僕と君は結局最初から最後まで一度も、学校以外でわざわざ待ち合わせして一緒に遊びに行くだとか、学校の帰りにどこかに寄り道して一緒に遊ぶだとか、そういう事は一切無かったよね。たまにくらいはそういう事もしたかったのに、なんだか断られるのが怖くって、言い出せなかったんだ。君はどうだった?君も、一緒に勉強したり帰ったりだけじゃなくて、どこか一緒に行きたいとか、一緒に遊びたいとか、思ってくれてた事が一回くらいはあったのかな。

 君が居なくなったのは、確か今くらいの頃だったかな。僕が十五歳になった後だったか、なる直前だったか。僕は君のお母さんが病気になった事だとか、それで長期入院になるから親戚の家に預けられる事になった事だとか、何一つとして知らなかったよ。だって君が教えてくれなかったんだから。

 でも連絡先は知ってるし、別に肉体がそこになくても、物理的に遠く離れていてもそれで友達じゃなくなるわけじゃない。あの時はまだそう思っていた。だからきっと、君が居なくなった事を本当に知ったのは、もっと後。クリスマスに送ったメッセージに何の反応も無くて、そのまま迎えた次の年の三月十六日。君のお誕生日を祝うそのメッセージにも何の反応も無くて、そうしてそのまま高校生になって、僕の誕生日になって、両親や兄さん、友達がお祝いしてくれる中、君からは何も無かった。その日は朝起きた時からずっと頭痛に悩まされていたのに、早く寝るなんて事はせず、昨日と同じで、日付が変わるまでずっと起きていた。



 それ以来、僕から連絡する事もしなくなり、君から連絡が来る事も無かった。そしてその日からずっと、毎月毎月、十六日になると必ず頭痛に苦しむ生活が続いているのだから、なんて律儀な体を持ったものだ。しかもその毎月訪れる体調不良をどこか喜んでいる自分が居るのだから、我ながら気持ちが悪い。誰にも言えたものじゃないよこんなの。

 ありがとう、お母さん、お父さん、兄さん、学校やバイト先の皆。祝ってくれて嬉しい。ありがとう。こんなに沢山の人達に囲まれて、大事にしてもらって。僕はきっと恵まれてる。とっても恵まれている。

 ありがとう、朝翳君。たとえ二度と君と会う事が無くても、君と言葉を交わす事も、心が通う事も無くても、君は僕の宝物だよ。どうかせめて、どこかで、できるだけ幸せに生きていて。進学したにせよ、就職したにせよ。友達が居たとしても居なかったとしても。どうか君にとっての幸せを手に入れていて。僕もできる限り頑張るから。君のお陰で今の僕が居るって、僕は幸せだって、言い張ってやるんだ。

 ねえ、皆。皆、本当に大切だよ。大切なんだよ。八紅(やこう)さん。妹さんから貰った髪留めをずっと大事にしてるところ、素敵だと思う。霧島(きりしま)君。髪留めを探すための段取りを指揮する君の姿はとっても格好良かったし、君のお陰で八紅(やこう)さんの髪留めは見つかったんだよ、ありがとう。

 ……だけど。

 そうだ、寿和(すわ)君。寿和君も本当にありがとう。寿和君は僕にふられて、僕に傷付けられたのに、僕が柄の悪い先輩に絡まれてた時に助けに入ってくれたよね。僕は寿和君の気持ちに応えられなかったけど、どうか誰か別の人と幸せになってほしい。

 だから……でも。

 でも。僕は恵まれてる。とっても恵まれてる。

 だけど

 それに、そもそも君が何も言わず居なくなったのも、その後連絡を返してくれなくなったのも、全部何か僕の知らない事情があったからで、そこに何の悪意も無いのかもしれない。あるいは、僕が無自覚に何か嫌な思いをさせてしまっていたせいかもしれない。何も知らないような顔してずっと隣で勉強してたのが、君をずっと少しずつ傷付け続けていたのかもしれない。

 だとするなら、居なくなってしまった事を悲しむよりも、その日まで居てくれた事を感謝すべきなんだ。君を失った事で得たこの傷があったからこそ、こうして周りの人達を大事できるようになったんだから、君が居なくなってしまった事それ自体にも感謝するべきなんだ。そのお陰で今の僕が居るんだから。そうして大事な友達が沢山できたんだから。

 でも



 それに、

 それに、



 ……ひどいよ。


―完―
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