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2022年11月24日00:33

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怪獣を斬る少女

運動会ではあれだけ泣きっぱなしだった2歳児が今回の親子参観ではちゃんと授業やってて驚いた。

・バイオレンス・アクション

キャスト一覧を見て「ムロツヨシや山田孝之はおらんかな...」と探してしまい、オープニングアクションで「これは橋本環奈のPVだ」と確信し、撮り方、作風は実際その通りではあるが意外にもキャラクターを使い捨てにせず誰もが大事にされていると感じた。テラノ、ヅラさん、木下といった主役陣は勿論だが芯の強さを見せそれなりに有能でもあった渡辺、暴力とクソマズラーメンと良き指導者をコラボさせた店長、友を想う狂犬クラ、やられ役なのに見事な啖呵を切った国津とほぼ全員に見せ場が用意され大なり小なり印象に残る。最強の始末屋を演じた城田優も「新解釈・三國志」とは違いしっかり(ギャグ的でもあるが)強く見え、壮絶な潰し合いの末に生き残ったのがあいつというのも良い。佐藤二朗も今回はくだらないギャグだけでなく飄々さと底知れない不気味さ、怖さ、貫禄をベテラン俳優らしく見せてくれたのが嬉しい。むしろハシカン自身のキャラがブレて定まらずキャラとして仕上がっていない印象。
おもにハシカンのおみ足を堪能するためのアクションは早回し、スロー、ワイヤーてんこ盛りなのは別に良いのだが、ごまかすためなのか構図と割りが見づらくレベルが高いとは言い難い。演者の(特にやられ役の皆さんの)頑張りもありなんとか見られるといったところ。PG12なりに思ったよりはバイオレンスもあった。
ストーリーは雑味が多くテンポも良くはないがシリアスとコメディの塩梅は良く、お互いが邪魔し停滞することはないため飽きずには見られた。内容の割にちょっと長いが。
多くの不満を、大好きな点が大きく上回ったので大好きな作品。


・ガメラ2 レギオン襲来

まず特筆すべきは群体レギオンの怖さだろう。おぞましい姿に地下鉄での田口トモロヲの惨殺劇、巨大なガメラに無数のレギオンが群がり覆いつくす気色悪さはそんじょそこらのパニックホラーよりよっぽど怖い。それでいて生態、体の構造、行動原理が「酸素」と「シリコン」「電磁波」をキーワードにしっかりと暴かれ、謎の怪物のままにしておかないことでSF要素を強め確立し、現実味とリアリティのある生物として存在感を増す。
そしてレギオンを科学的見地から「人類と共存不可能な生物」と明確に定義したうえで種の殲滅の理由付けをするのもリアリティだ。
「シン・ゴジラ」などにも影響を与えたと思われる、レギオンやガメラが実在した場合のシミュレーションのような想定、対処、改正物の存在以外は極めて現実的な人々の行動が物語に説得力を持たせ、前作から続投の警備員、折れたままの東京タワーなどで前作から地続きでさほど時間がたっていないことがわかり、劇中の世界にリアリティを与えているのも見事だ。
更に進化したガメラの生々しさ、動き、人類の存在など意に介さずレギオンに攻撃する姿は、迫力を高める演出も合わさり雄々しくも危険な怪獣王の貫禄たっぷりだ。自衛隊も有能で非常にカッコ良く、一斉射撃に全く怯まないレギオンのマイクロ波で大炎上する戦車隊、高射砲で撃ち落とされる飛翔体たちがボトボト落ちていくさま、レギオンの前に立ちはだかったガメラの着地横滑り火球とマイクロ波のぶつかり合いなど激アツ描写も事欠かない。
相変わらず藤谷文子の演技が浮いてるのと、エンディング曲が前作に比べ弱い(というか前作の「神話」が神曲すぎるのだが)という些細な残念ポイントはあるが、人間同士の描写は必要最低限(しかし必要な描写はしっかり描く)、硬質でプロフェッショナルで誠実で、もちろん怪獣映画としての迫力、ワクワクも持ち合わせた稀有な作品。
ISDN回線やインターネットという単語も飛び出し、ネット社会の黎明期を感じることもでき、おじちゃん達には懐かしい。
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