親戚付き合い本気で面倒臭い。
・バズ・ライトイヤー
履き違えた責任感と独りよがりが生んだ悲劇と、しかしそれによって生まれた新たな未来。
自分と異なるものを認めること、新たな価値観や文化を認めること、自分のミスと向き合うこと、他人を受け入れそれぞれのベストを尽くしあうことを決して押し付けがましくなく美しく、大迫力のSFアクションとしてエモさとエンタメ性抜群に描く。複数の国で上映差止めになったという同性愛描写も、まったく主張すらすることなく普通にそこにあったことに誠実さを感じた。
「トイ・ストーリー」シリーズとの関連性はゼロといって良く単品として楽しめ、最初こそ所ジョージでないバズに違和感を覚えるも鈴木亮平氏と、相方の今田美桜さんの素晴らしい声優ぶりにすぐ順応できた。驚いたのは猫ロボットのソックスを演じたかまいたち山内氏。本人とすぐにわかる特徴的な声と喋りで、実際に彼自身の顔がチラチラ浮かんでくる癖の強さなのに不思議と合っていてこれぞハマり役であった。
細かい描写や機微に子供が気付けるか微妙かも知れないが楽しみつつ何かを感じ取ってくれれば良い、尊い作品。
前述のとおりまったくトイストーリーとは関係ないため、バズである必要はあるのか?という疑問は当たり前だが、この尊いテーマを多くの人に観てもらうためにバズという有名キャラを利用した、でもまったく構わないと思えるだけの傑作。
・シン・ランペイジ 巨獣大決戦
「シン」でも「ランペイジ」でもなければ巨獣同士の決戦もない。パッケージにデカデカと映っている大鷲も劇中に登場しないというありさまは作品のせいではなく「巨鱷島」という原題を無理やり捻じ曲げた日本版パッケージのせいなので仕方ない。
飛行機事故の生存者たちが漂着した謎の島でワニたちにパクパクやられていくお手本のようなB級映画で、何一つ予想外の展開はないし軋轢を抱えた主役の親娘、娘の彼氏、妊婦とその夫、冷静なメガネに命よりSNSが大事な配信者に身勝手なクズとテンプレ極まりないメンバーは生存予想も容易い。
CGレベルはそこそこでワニや不気味な巨大クモもなかなかの迫力だがシーンによってサイズがまちまち、背景や人物と絡ませると粗が浮いてくるという実家のような安心感。
どこをとっても平均値かちょい下目でそこそこのハラハラを予定調和的に楽しめるのだがグロはほぼ無し、特に前半は娘の彼氏を目の敵にする主人公のウザ絡みがかなり不快なのでその分マイナス。
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