mixiユーザー(id:33120836)

2021年12月11日00:22

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あるべき社会

民俗学の聖典として有名な「遠野物語」ですが、実際に読んでみるとなかなかどうして、フィールドワークで聞き取り調査をしているレベルの「生」感覚で、よほどの目的意識があるか、そういう話が好きかでないと読破できないのではないかと感じました。もちろん、実際に聞き取り調査をするのであれば、話を聞く以前に対象となる人を探し、話をしてもらえるお膳立てをして、と、さらに苦労があるわけですけれど、ここから地域性だの、話の係累だのを導き出すというのはすごいことだと思います。

人にはいろいろ適性がありますから、「遠野物語」を苦にせず読める人もいるでしょうし、私も得意な内容であれば、実際に体験していることなり、文章で読んだことなりから骨子を抜き出して分析することができたりしますし、様々な分野に専門家がいるのはだからこそでしょう。歴史資料についてはさらにそういう色合いが濃くて、「武士の家計簿」(磯田道史 新潮社 2003)の話を聞いたときには感心と言うか、感嘆と言うか、あきれたほうが正しいのかもしれない、とか思いましたけれど、同時にこういうことで学問は進んでいくのだな、こういう研究ができる世の中であってほしいな、とも思いました。
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