無理でした。
散々人に勧められた『カメラを止めるな」をなんとか視聴。
ある程度ネタバレ踏んでいて、
「『ラジヲの時間』に軽く嫌な思い出があるんですが……」とダッキングを繰り返すも、
思い出の映画祭の名という右ストレートの前にはダウンせざるを得ないわけで。
……あれ、この構図、『天気の子』の時と同じか?
「90年代エロゲ原作を忠実に映画化」の言葉に、ならば見ないわけにはいかないと重い腰をあげたあの夏と。
正直、第一幕が一番面白かった。
まず、タンクトップとホットパンツの尻が良い。
次に、劇中劇と劇中劇中劇の間ををいろんな違和感を介して行ったり来たりしているのが良かった。
元々メタ構造大好き人間だけど、その境界をふわふわ揺れ動くっていうのを見るのは初めてで、
視点が定まらない不安定さは、見ていて新鮮だった。
第二幕は、頑張れば見れた。
こういう、間違ったプロ意識をコメディとして見れないタイプの人間なので、
こういうシーンはいつ見ても辛い。
そして第三幕が始まるところで苦痛のあまり一旦視聴を止める。
というか、この時点で予想されるトラブルの7割くらいが読めてしまっていて、
ただそれの答え合わせをしなきゃならないだけの時間を過ごすことに絶望すら感じてしまう。
感想をネットで見て回ってかろうじてモチベーションを維持することに成功。
なんとか視聴を再開する。
第三幕は、まず、冒頭の主人公が切れるシーン、
ここは読めなかったし、第二幕のフラストレーションに対するカタルシスで、気持ちよかった。
他には主演女優、常にカメラに移り続けるせいで唯一弱音を吐けない彼女が、
ラスト手前で「もうやだー」と言うのも、
気持ちを慮ってしまったフラストレーションの発露として、調度良かった。
あと、ピラミッド、これは読めなかった。
読めなかったんだけど、
最後だけみんなで頑張って良かったねをするのって、結局『ラジヲの時間」と同じ構造じゃないですかやだー。
ネタバレ無しなら確かにもうちょっと楽しめたかもしれないけど、
結局第一幕の揺れる構造以外は『ラジヲの時間』だし、どうかな。
そもそもネタバレがないと見ないような映画だし……。
やっぱ映画を見れない身体になってしまったようだよ、とほほ。
そして、『ラジヲの時間』の時間に感じていたわだかまりが10年ぶりに氷解したことに気づく。
結局、終わり良ければ全て良し、みたいに落としているけど、
それで許される話じゃないよね、って怒りがあるからなんだと思う。
ラスト、みんなで笑い合ってた風だったけど、
自分だったら間違いなく終わった瞬間に、
特に酒飲んだ奴とかを動かなくなるまで殴った後、
可能な限り減給させるための交渉に走るよ。
主演の二人は褒めるけどさ、
不倫で追突した奴らとかには、事務所に交渉して賠償金払わせるよ。
人として当たり前のことをするだけで、そもそもこんなことにならないじゃないか。
だからこそ僕たちは、毎日毎日嫌な思いしながら頑張ってるんじゃないか。
そんな頑張りを、否定されたような気がしてしまうんだよ、こういうのは。
絶対許さないよ。絶対にだ。
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