mixiユーザー(id:10719871)

2019年11月12日00:07

88 view

消えないEP

赤い公園の新作「消えないEP」を聴いた。
新ヴォーカリスト・石野理子を迎えての初の作品。
フルアルバムでなく、5曲入りのミニアルバムというのが、正直ちょっと物足りないところではあるけれど、CDが売れない今の状況では致し方ないということか。
でも、収録された5曲はどれも聴きごたえばっちりで、新生・赤い公園の魅力を存分に味わえる。

前ヴォーカルの佐藤千明は、曲によってさまざまな表情を見せる「名女優」だった。
ただ、「女優」であるが故に、正体をつかませない感じもあって、そこが深みのある表現に結実していた反面、わかりにくさ、とっつきにくさをもたらしていた印象がなきにしもあらず。
「共感」を重んじる昨今のJポップシーンにおいて、それはどちらかというとマイナスに作用していたかもしれない。

新ヴォーカルの石野理子はまだ十代と若く、いい意味で荒削りで未完成。
だから歌も、純粋でまっすぐに訴えかけてくる感じがある。
それに合わせてか、歌詞も以前と比べると、変化球よりもストレートが増えた気がする。その分、前より共感しやすくなったかも。
「凛々爛々」とか「HEISEI」はまさにそんな感じ。
その一方で、「YO-HO」において、、

差しのべられた手を取りたいけれど
今あなたが踏み潰しているのは
今朝咲いたばかりのナルジオン

――と歌われるあたり、安易な共感を寄せ付けない毒や皮肉のあるスタンスが感じられて、そのへんはあいかわらずだな、とも思う。

より研ぎ澄まされた感のある鉄壁のバンドサウンドと、石野理子のヴォーカルが生み出す新たなケミストリーに期待は募るばかり。
最強のガールズバンド、赤い公園、健在なり、ということで。



1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する