近況なんて言おうとすると
いつもだいたい悲しい話ばかりだけど
なんとかそれなりに生きているようで
精度の狂った時計を懐に忍ばせれば
今がどうしてもいつだって輝こうと泣く
手に入れられなかった数々の日々に
うまく別れも伝えられないままに出会う
気付かないだけで気付いたときはもう
きみがそこでなんとなしに生きていた
それをただ美しいと感じて
触れることなく置き去りになる領域に
踏み込めた気になる前に遮断機があった
かなしげに点滅している
離れてしまう隔離されてしまう
存在の中に埋め込まれた温もりとの離脱
どうして
似たような日々の中で溺れた昨日を
腹の瘡蓋を撫でながら思い出した
残された残りの情熱のなかで
諦めに慣れた瞳でもう一度何を掴める
守ってみせると翳した手には
汚れて輪郭は徐々に滲んで
形のはっきりとしない時間に食われた
やつれた夜をいつだって重ねてから
奇跡が首を吊る夢を見た
革命が死を愛でる現を見た
愛が速度で火花を吹くのを感じていた
吸い込まれるままに空を見ている
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