皆様、お今晩は。宮内庁三の丸尚蔵館にて4月21日迄開催中の平成最後の展示となる「御即位30年・御成婚60年記念特別展「御製・御歌でたどる両陛下の30年」」展に行って参りました。その感想です。
本展は,天皇陛下のご即位30年を記念するとともに,天皇皇后両陛下のご成婚60年を祝して,ご即位後の両陛下の歌会始における御製と御歌を紹介し,それぞれの御歌おうたの情景や関連する行事等の写真を展示することによって,両陛下の30年にわたる歩みを振り返ろうとするものです。
天皇陛下は,平成28年8月8日のおことばにおいて,「私はこれまで天皇の務めとして,何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが,同時に事にあたっては,時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。」と述べられました。また,天皇が象徴であると共に,国民統合の象徴としての役割を果たすために各地を巡って多くの人々と触れ合われたことについて,「天皇として大切な,国民を思い,国民のために祈るという務めを,人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは,幸せなことでした。」と述べられました。
両陛下の御歌には,先の大戦の犠牲者,苦難の歴史を歩んできた沖縄の人々,大震災等の自然災害による被災者,外国に暮らす日系人,それぞれの地域に暮らす様々な人々への思いが溢れ,国の平穏と国民の幸せを祈り続けてこられたお姿が凝縮しています。また,ご夫婦としての細やかなご配慮やご家族への愛情,静かな日々のお過ごしを詠まれた御歌からは,思わず心が和み,癒やされる余韻が伝わってきます。
本展では,この他にも両陛下のご著書や皇后陛下のご養蚕により修復された文化財,両陛下が相互にお取り交わしになった記念のお品も紹介しています。
本展の開催が,多くの人々の心の支えとなり,希望となってこられた両陛下の30年間に及ぶご活動を思い起こす一助となることを願いつつ,ここに,これまで温かくお見守りいただいた両陛下への感謝の意を表する次第です。
この企画、前回の展示であった「明治美術の一断面―研ぎ澄まされた技と美」が終了して、御即位30周年記念の展示が開催になることは明らかにされていたのですが、それからどういった内容の展示になるのか、宮内庁三の丸尚蔵館のHPを見ても中々更新がされずに気を揉んでいたのですが、更新されたのは展示が始まる二週間位前の事ですから随分と検討されたことは疑いようがありません。
現在も御即位されている明仁今上天皇陛下と美智子皇后陛下のお二人の歴史を辿る訳ですから、極めてデリケートな展示内容になるのですが、今回の展示の白眉は平成30年に製作された野田広志画伯製作の天皇皇后両陛下の御肖像画と言う事になるのでございます。今回のこの展示でこうした肖像画があることを初めて知る事が出来て感涙の涙に咽んだ次第でございます。
http://www.kunaicho.go.jp/event/sannomaru/tenrankai−tokubetu2019.html
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