詳しくは書かないが、また人の汚いものを垣間見た。
生きるという事は、汚い事でしかないと思う。
作家として、全てを理解しようとすればする程、闇を覗く事になる。
時折、何もかも放棄したくなる程の拒否感を得る事もある。
私が綺麗な作品を書くのはその反動かもしれない。
でも本当は知っている。
この世はクソだ。
クソッタレだ。
南国で過ごした某作家のドキュメントでも垣間見える。
この国の歪み。
いや、人の歪みか。
だがら反吐が出そうになる。
正直に生きる事が損をし、仮面をかぶる者が小狡く立ち回り得をする。
そんな事を知る度に全てを破壊したくなる。
心に宿るは狂気。
全てを溝板に落とし込み、思いのまま暴威に身を委ねたくなる。
理性は押しとどめるが、それが正しいのかと自問自答する。
そんな時はそっと目をつぶる。
だが忘れはしない。
心の織に閉じ込め、そこから離れてゆく。
織で飼いならされた闇は、いつしか獣となる。
その獣に身を委ね、私はその指先を弾くのだ。
忘れてはならない。
でも、慣れてもいけない。
慣れれば、同じ穴の貉になるだけ。
だから、私はこのクソッタレな世の中を憎む。
そして、クソッタレな人を憎む。
憎み続ける事が、私の唯一の抵抗の証なのだ。
染まるな。
非難せよ。
非難し続けよ。
でも、寛容ではあれ。
人はそれほどに弱いのだ。
強くあれるのは、ほんの一握りでしかない。
でも、受け入れれば飲み込まれる。
だから、反目するのだ。
反目し続けよ。
作家であるために。
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