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例年なら、サンマの南下に伴ってサンマの水揚げは三陸以南に移り北海道では途絶える時期の10月末を迎えても、今年はまだ道東で水揚げが続いていた。
今食べておかないと新鮮な生サンマは来年の夏まで北海道では食べられなくなる。
今年は9月から10月に掛けて釧路と根室、厚岸へとサンマを食べに3回道東旅行したが、そう思ったらとどめにもう1度食べておきたくなり、急きょ土日の休みで根室へ行くことにした10月27日土曜日。
釧路勤務時代に通っていた居酒屋のマスターが去年の11月から根室に転職しており、今回一緒に飲むことになり、根室で落ち合って21時半頃から根室の歓楽街・梅ヶ枝町に繰り出した。
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人口減少、高齢化が著しい根室市街はかつての賑わいを失い、寿司屋や居酒屋なども遅くまで営業する店は減っており、21時半から食事も兼ねて一杯引っ掛けることのできる店の選択肢は少なく、飲みに行ってみようと思っていた店は客は3人ほど残ってはいたが「もう終わりです」とのことで入れず。
それならこの際サンマだけでも食べられればいいやと、自分が釧路勤務していた頃に根室出張で来たときにサンマのメニューが豊富にあって何度か訪問したことのある居酒屋「村さ来」根室店へ。
「村さ来」は全国展開の居酒屋チェーンだが、少なくとも日本最東端のこの店には根室店オリジナルのメニューがあり、根室名産のサンマのメニューがいくつもあるのだ。
札幌から10時間近く運転して根室にたどり着いてヘロヘロでもあり、日本酒を飲んだら酔いつぶれてしまいそうな予感がするので、お通しに出された大豆としらす干しの煮物をつまみながらとりあえずハイボールを飲みながら何を食べるか考える(写真2)。
ともかくサンマの季節限定でやっている「秋刀魚づくし旨いもん祭」メニュー4種類のうち、どこでも食べられる塩焼きを除く3種類は食べることにして注文。
すると、最初にサンマの竜田揚げが出てきた。
カリッと揚がったサンマの皮の裏側は脂でべったりしており旨い。
すぐにサンマの「刺身ねぎまみれ」も配膳。
刺身なのに醤油ではなくポン酢で食べるんだそうで、早速ポン酢を掛けてしまう。
サンマの刺身をポン酢で食べさせるなんて意表をつくが、なかなかいけるじゃないか。
そして「炙り〆秋刀魚の棒鮨」も出来上がった。
旨いに決まっている。
やっぱり水揚げ港のある街で水揚げがある期間に食べるサンマは格別で、まだまだサンマが食べたい。
そこで、「秋刀魚づくし旨いもん祭」メニュー以外のメニューにある「秋刀魚のルイベ」も追加注文。
「ルイベ」とは元は北海道の先住民族・アイヌの伝統料理で、要するにカチカチに冷凍した生魚で、今では刺身で食べることもあるが、寄生虫が多いサケ・マス類やタラ類で一般的な食べ方である。
サンマをルイベにして食べさせる店は少ないが、「村さ来」根室店には自分が釧路勤務していた頃からいつでもあった。
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おそらく、サンマの水揚げ日本一の根室では7月から10月か11月くらいまで生サンマが出回るから、刺身ばかりじゃ飽きてしまうので変化をつけて楽しめるように考えたんだろう。
これが刺身とは全然異なりルイベも旨いのだ。
凍っているから最初はシャリシャリしており、噛むごとに溶けてきてサンマの脂がジュワーッと口の中に広がり旨い。
こりゃやっぱり日本酒だな、根室の地酒「北の勝」行っちゃえ。
サンマのルイベにはおろし生姜が添えられていたが、解けてきたら刺身と同じように道東では定番の醤油に一味の方がいいな。
ルイベにしたことで、解けても刺身とは違う風味になるが、地酒に解けたサンマのルイベ、旨いとしか言いようがない。
まだいけるな、それなら根室でしか食べられない新・ご当地メニューの「さんまロール寿司」も注文。
根室の名産の歯舞(はぼまい)昆布の消費拡大を狙って開発されたメニューで、根室名産のサンマを大葉とガリと共に海苔の代わりに酢漬けの歯舞昆布で巻いた寿司だ。
醤油も歯舞昆布醤油で食べるのがルールである。
新鮮なサンマの脂と噛み応えのある酢漬けの昆布の食感と風味が心地良く旨い。
これでちょうどお腹も一杯になり、会計すると2人で6547円だった。
根室は遠く、1泊で来るのは日程的に少々厳しいのだが、今年最後の生サンマで一杯やりに無理して根室までやって来たが、サンマ料理を5品食べ大満足である。
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