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2017年12月07日03:06

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呼吸と窒息

片鱗に触れたいせめて
御守り代わりに気持ちを封じ込めるから
逆鱗に触れたいいつか
禁忌を破った罰の中で生きる喜びを知る

中毒性のある宇宙の法則に拉致されて
天の掟も乗り越えて塀の向こうを覗く
繰り広げられる光景に悶え苦しむのは
正視できない現実を脳に差し込むのは
顔を洗って出直してくる顔も消えていく
あるべき部品があるべき場所にあるのは
誰がどこでどうやって配置したのかを
壊してみたって解明できないのに消去を
消去した後の断面を断層をその続きを
消え去った大陸はどこへ向かうのか
意味のない思考の中で厳然たる真実
訪れる死は瞬間と永遠を差別することなく
容赦なく優しい無で貫いてくれるだけ

死の中で生きる
私がいたことを少しだけ覚えていて
忘却の季節は雨も風も雪も鳴り止まない
蒸発した涙の受け皿の用意が天にあるなら
いつだっていつまでも吸い込まれていける
割られた皿は戻りはしない一方通行の命が
迷子にさえなれずに忽然と消え去る
救いと捉えるにはあまりにも予兆なく
なにかのはずみで無慈悲に起こってしまう
信じられないほど容易く裂かれるてのひら
太陽の翳でひっそり息づけるのもいつまで
悔い改めるにもあまりにも無感覚のまま
過ぎ去る箱の庭の円形の部隊の装置は踊り
落とし穴を秘めた壇上で実に時に可憐に廻り

片鱗に触れたいせめて
御守り代わりに気持ちを封じ込めるから
逆鱗に触れたいいつか
禁忌を破った罰の中で生きる喜びを知る
堕ちるようにふわふわ飛び果てて潜り往く
夜と昼の中間地点で傷口が等身大の扉となり
傷口の内部へ収納される型を取られるように
傷を纏いあとは痕はひたすら咆哮するだけの
獣は手負い
息の根止めるなど実に容易く見える
しぶとく貼りついた命の雫を拭きとるのは
薬を染み込ませた布の芳香は馨しい毒薬
蜜の中に閉じ込められて時を超えたい
土の中に愛されて迷宮に収容されてたい
墓穴を掘るために祈る
死ぬほどに甦るように響かせる今は何だ
空白の乗り物は脱け殻の無効期限乗車拒否権
採択されない駄々と地団太の首を狩りに行く
おとなしく運命に呑まれて幻想の環を閉ざし
想い描く完成形を咽喉奥に流し込め
獣の息はもはや虫
聴こえないほどの絶望を託す輪廻など無い
子宮に愛されたい天蓋から見放された子宮に
危険な信号が頭のどこかで鳴り光り警告して
何億年の窒息をゆっくり数えて眠る
枝分かれして帰結しない結末を剪定する
鋏は魅惑的な死の色
血の匂いに噎せながら死しか見なくなった
悲しい個体は惨めに泣いた
助かるかも知れない助からないかも知れない
きれいにきれいにきれいにきれいに
膜の中で巻きながら幕を閉ざして開こう
すべてを終わらせはじめるための呼吸
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