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2017年09月03日22:39

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聴衆よ、夏の終わりの風の中、疾走乱舞するKYOTO市立「パリ」交響楽団の「幻想」を聴くがよい・・・京響定期

またすごいもの聴いちゃったよ、まいったなあ、どうするのよ、これ。

京都 京都コンサートホール
京響第616回定期演奏会
ジョン・アクセルロッド指揮 京都市交響楽団
(コンサートマスター 泉原隆志)
武満徹:「死と再生」〜映画「黒い雨」より
R・シュトラウス:交響詩「死と変容」作品24
ベルリオーズ:幻想交響曲作品14

圧巻は何と言っても「幻想」。京響が本来持っている、ラテン系の明るいカラフルな音色の魅力炸裂。そして、どんなにアクセルロッドさんが煽ろうとも決して崩れず、むしろどんどんとヒートアップしていく、卓越した演奏能力に支えられた音楽の突進力のすさまじさに脱帽。

いままでライブで聴いた幻想の中では、おそらく最速だったんじゃないかなあ。まさに「躍動」の「幻想」、疾走する「幻想」。これをまあ、ここまで見事に弾いてのけられるオケって、他に日本にどれくらいいるんだろうか?(いや、いない、反語)。実はフランスから来た一流オケなんです、パッと見は日本人に見えるかもしれませんが、といわれても信じそうな気がする。

最近このMIXIで盛んに僕が書いている、「広上淳一とニシジン・ゲヴァントハウス・オーケストラ」とは違うオケになってましたねえ・・・・この「今日の京響」に名前を付けたらどうなるか、と帰りの電車のなかで考えに考えましたよ。で、その結果が、タイトルに書いた如し(いまいちセンスがよくありませんな)。しかし、よくまあ、同じオケでここまで違う響きが出せるもんだ。

岡山からはるばる参戦のヒロノミンさんと(昨日もお聞きにやった由)終演後にお会いしても、お互い出てくる言葉が、「とにかく、すごい」「めちゃくちゃ、上手い」「なんといっても、すごい」のオンパレード。ぐすたふくん、このオーケストラをずっと聞いてきたはずで、昔にはもうさんざんけなした文章書いてたと思うんだけど、このごろ「すごい」という以外の言葉が出てこないのが、なんとも悔しい。今日こそは、もうちょっと違う、気の利いた文章を書こうと思ってたのになあ。

これだけの演奏が「おらが町」のオケから聴けるんだったら、わざわざ高いお金を出して、当たり外れの大きな「外来オケ」を聴きに行く必要なんてないよね、と京都の聴衆が思ってもおかしくありませぬな。実際、京都での外来オケのチケットの売れ行きがどんどん落ちて行っているのは、京響のせいだ、といううわさも(信じる信じないは、あなた次第です)。

この幻想と比較されてしまってかわいそうなのだが、前半も結構いい演奏だったですよ、馥郁とした香りをたたえる武満ストリングスと、かっちりと仕上げられたシュトラウス。でもまあ、聴いていて思ったのは、「ま、こんなもんかな」だったということを、ぐすたふくん、正直にここに書きますけど・・・・あまりにレベルが上がると、少々の佳演では満足してもらえないっていうのも、困りもんですねえ(優勝して当たり前の読売巨人軍に通じるものがありますな)。

アクセルロッドさんも、これで聴かせてもらうのは4回目。そのたび、その芸達者ぶり、聴かせ上手さには舌を巻く。でも、1回目がラヴェル「ボレロ」「スペイン狂詩曲」プラスR/コルサコフ「スペイン奇想曲」、2回目がワーグナー名曲集(ワルキューレ騎行にジークフリート葬送行進曲、加えてトリスタン)、3回目が「シェエラザード」に「海」、と、今回も含めてそのプログラム路線、いわゆる「純シンフォニー」をじっくり聴かせる、という物ではない。確かに、京響の音と自分の十八番のベストマッチを考えてということで、卓見なんだろし、実際演奏会としても大成功だと思うけど、一度「絶対音楽」「交響曲」をじっくり聴かせてもらいたいなあ。それが、フランスやイギリスや、はたまたアメリカものであっても構わないけれど。

ぐすたふくんの淡い期待を言わせてもらえるなら・・・・コープランドの3番を京響で聴かせてもらえるとすれば、この人しかいないような気がする(スーパー上手いオケでないと、この曲、面白くないんですよね)。次の機会、候補のひとつに数えてもらえたらこれほどうれしいことはない。アクセルロッドさん、よろしくお願いいたします。

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