岩井俊二監督の実写映画を、アニメ化した作品。
岩井版は劇場公開当時見てました。
最初は「こんな話だったっけ⁈」と、頭の中に疑問符が浮かびましたが
なずなが母親に捕まって強引に引き戻されるところや
典道が駅のホームで捕まって力まかせに殴られたところで
(このシーンを見るたびに、個人的にチェッカーズの「ギザギザハートの子守唄を思い出す…」)
ようやく岩井版の名シーンを思い出しました。
特に駅のシーンの描写は再現度が高かったと思います。
この作品は、現代的な描きかたがネックになっています。
主人公の家や、鍵となる駅や電車が、昭和時代のレトロ感覚たっぷり。
作品全体をこの感覚で統一していたら、当時岩井版を見ていた人も雰囲気に浸れたでしょうね。
しかし、今どきのアニメ作品特有の演出が、逆に興を削いでしまっていたのが残念です。
街並みが昭和レトロ感覚なのに、主人公達の制服が今どきの流行りのアニメに出てくるようなデザインだったところとか…。
主人公が時間を遡って、未来を変えようとする
海の上を走る電車
他にもいくつかありましたが、オマージュを詰め込んだら作品が良くなるという訳ではないでしょう?
クライマックスシーンのファンタジックな映像が綺麗でよくできていたのに…、もったいない。
岩井版を意欲的に現代的な解釈で描いた、というところは肯定的に受け止めています。
いろいろと詰め込みすぎて、ラストシーンが霞んでしまっていたのが残念。
教室で点呼をしている時に、空席が二つあったところに、もっと余韻を残していたら…。
岩井俊二監督作品「四月物語」で内気な女子高校生を演じていた松たか子が、この作品では主人公なずなの母親の声を演じていました。
作中で、なずなが歌っていたのは松田聖子の「瑠璃色の地球」。
個人的に揺さぶられるものがありました。
面白かったw
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