先日にサイピアへ寄贈した宇宙船の作品コメント全文を紹介します。
長文ですが、ぜひ読んでやって下さい。
ご本人の言葉です。
メトロンさんは詩人です。
◆宇宙タンカー『第12おりんぴあ丸』
缶ビールの空き缶を利用した作品です。
国際宇宙ステーション「フリーダム」の組立システムに・・ある教授の研究成果が生かされています。
その先生は日頃、空き缶を拾ってきては足で踏み潰してみて、その空き缶の折り目をじっくり眺めている事を繰り返していたそうです。
知らない人が見たらアタマがオカシイと思うでしょう・・。
しかし、それは宇宙開発を支える上での重要な技術研究だったのです。
日本では古来より物を上手にコンパクトに畳む技術があります。
卓袱台は言うに及ばず、扇子や丸い提灯や円筒形の小田原提灯まで・・それは素晴らしい生活の工夫です。
物を小さく折りたたんでいざと言うときに大きく拡げる・・これぞ宇宙開発の資材打ち上げになくてはならない技術だったのです。
話が横道に逸れましたが、ビールの空き缶やヤクルトの容器が使ってあるからといって決してガラクタオブジェにはしていないつもりです。
千の屁理屈よりも一つの完成模型です。
人間が頭で考える事は全て実現可能なのです。
私のS.Fに対する情熱は単なる夢物語ではなく、過去から現在未来へと続く壮大な叙事詩にも似たテクノロジーの絵巻物の様な世界観なのです。
宇宙の闇夜を今夜もヘッドライトを照らしながらトラック野郎よろしく宇宙タンカーのコンボイが資源を満載して太陽系内を行きかう・・。
この船団を守るべく、そっと影のように寄り添い見守る宇宙護衛艦・・。
人類にとって最大の脅威はやはり同じ人類です。
この鉄則は未来になっても変わらないでしょう。
いつかどこかの地球外コロニーで独立国家が生まれないとも限りません。
海賊行為は当然海軍の誕生を促します。
これはそういう時代の物語に登場する宇宙艦なのです。
◆スペース・コンテナ・シップ『第九こばやし丸』
どんなに深い悲しみも人は海の様に渡り乗り越えて行けるものであることを信じて生きています。
人生と言う航路には順風満帆な時ばかりではありません。
どんな種類の艦船にも航海日誌のページをめくればそこに様々なエピソードが添えられた旅の記録を読み取る事が出来るものです。
宇宙開拓時代の幕開け・・人々は漆黒の闇の彼方に虹の生まれる海を見た思いを希望に託して旅を始めました・・。
そしてやがてそこには虹の死骸の流れ行く海の姿もある事を知ってしまうのでした・・・。
少年時代、宇宙開拓のドラマに胸を躍らせた私もすでに頭に白いものが混じる年になってしまいました・・・。
遥かなる銀河辺境への道はまだまだ続くのです。
かつて本物の船乗りで船長だったS.F作家アーサー・バートラム・チャンドラー氏に乾杯しましょう・・。
宇宙の航海の長旅・・ネコをレディと呼ぼうが海賊と呼ぼうが、それは船乗り達の勝手というもの・・。
銀河に浮かべた 白い小船 あなたと尋ねた 夢の故郷・・
そんな古い歌謡曲がありました・・。
夢はまだ続いています。
醒めない夢は銀河回廊はるか十万光年の腕の中・・。
今夜は舟歌を歌いながら朝までずっと・・・。
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