最近また、テレビや新聞で「スノーデン」を取り上げる機会が増えている。
スノーデン (16 アメリカ・ドイツ・フランス合作)
監督: オリバー・ストーン
脚本: キーラン・フィッツジェラルド
オリバー・ストーン
撮影: アンソニー・ドッド・マントル
出演 ジョセフ・ゴードン=レビット(エドワード・スノーデン)、シャイリーン・ウッドリー(リンゼイ・ミルズ)、メリッサ・レオ(ローラ・ポイトラス)、ザッカリー・クイント(グレン・グリーンウォルド)
トム・ウィルキンソン、ニコラス・ケイジ
スノーデンが香港のホテルでジャーナリストと会う場面から始まるが、再現ドラマという体裁はとっていない。彼が語る場面は撮られていない。
それはその場にいたローラ・ポイトラスが監督した「シチズンフォー スノーデンの暴露」で描かれているからだろう(筆者未見)。
彼が軍に入隊して、脚の骨折により除隊し、CIAに入る。そこで、コービン教官よりも先に、ハードウェア系の開発者であるニコラス・ケイジに出合わせているところが、ドラマだろう。
ニコラス・ケイジは、純粋な研究者といった風情、何かのはずみで現場から外された感じで、よこしまさを感じさせない。スノーデンは教官であるコービン(リス・エヴァンス)よりも彼に惹かれる。
オリバー・ストーン監督のインタビューを読むと、米国の大手撮影所からの協力は得られなかったということだった。
ホワイトハウス前で、ジョセフ・ゴードン・レビットとシャイリーン・ウッドリーがリベラル団体のデモと遭遇し、彼女は署名に応じるが、彼は賛同しないと話をする。
おそらく背景は合成か。
撮影は調べてみると、ドイツのババリア・スタジオがメインだったようだ。
ハワイの場面。NSAの施設はトンネルを入っていった穴蔵。
海岸の場面の明るさとの対比。
また、かつてCIA教官だったコービンがNSAの幹部になっていて、スノーデン一人の会議室の壁一面に映し出されたコービンが、やたらと超大写しになる場面は、スノーデンに今回のことを決意させるに、十分な迫力とこわさを感じさせている。
彼が、日本の厚木基地にいた時、日本の電力、ガス、水道のインフラ網はいつでも止めることができると語った、その時に、日本列島が南から順に明かりが消えていく絵を入れ込んでいるのが、やたらと具体的で、日本人としてはぞわぞわとした、こわさを感じる。
そして、それくらいされていても、おかしくはないと思う。
スノーデンが才能があるが故に、米国国家にいいように使われていたこととなっていて、それが積み重なってきたために、結婚はしていないようだが、パートナーであるシャイリーン・ウッドリーとの家庭がうまくいかなくなっていく。純粋なものである。
「サバイバルファミリー」
矢口史靖監督の「サバイバルファミリー」は、電気が使えない世の中になったら、という映画。
ここでは、コンセントからの電気だけでなくて、電池も使えないというのがミソ。
だから、予備電源も自動車も使用できない。時計も止まったまま。(ゼンマイの時計を使用していたら動くわけだ。)
マンション住まいの小日向文世の一家だと、水も使えない。
そもそも水道局のポンプが使えないから水が来ない。
ガスもメーターは電気なので使えない。(プロパンならボンベがあれば使える。)
これが1、2日で終わるだろうと思っていたら、全然変わらない。
パソコンもスマホも使用できない。発電式のラジオも使用できない。なので、情報がない。
奥さんの深津絵里の実家が鹿児島で、柄本明の父親が住んでいて、魚釣りや畑をしているので東京から自転車で、家族4人(大学生の息子の泉澤祐希、高校生の娘の葵わかな)と一緒に高速道路を行く。
小日向が威張っているわりには、サバイバルの知識は薄い親父、
深津も料理は得意ではなく、魚もさばけないという設定なので、
あまりの無知に、いらいらするようなところもある。
ただ、カードも使えず、銀行からの金の引出も制限されるのに、
ペットボトルの水が1本7000円とか。わかる、わかる。
大地康雄の、養豚と養鶏をやっている田舎の家に世話になって、豚の燻製や塩漬け、漬物とかの保存食のありがたみを知る設定もよろしい。
矢口監督は、時々乱暴な設定を入れてくることがあって、今回もちょっとあれはないだろう
と思うところがあった。
監督が、パソコンやスマホをなくしてしまおう、と思ったことが発送のみなもと、という。
<GIZMODO>
http://www.gizmodo.jp/2017/02/survival-family-shinobu-yaguchi-interview.html
最近、宮崎駿と養老孟司の対談の中で、宮崎さんが、日本の若者を元気にするためには、
「スマホを全滅させること」と語っていたのを読んだところ。
電気がない生活は人を元気にしたのか。
自転車で移動するだけでも元気になるねぇ。
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