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2016年12月02日08:33

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great asia

『路を訊くときは女性に訊いた方が良い』とそのイケメンアフガニスタン人は口にした。身長190アッパーすらりとした四肢、ちいさな頭蓋骨を彩る褐色の肉付きはその地域に刻まれた抜き差しならない年月のように深くそして衆目を捉えて放さない憂いを含んでいた。偉大なるユーラシア大陸の端っこの河口の街。アジアで最もヒトが蠢いているという巨大都市には東西2つも国際空港がある。その一方からその一方に移動するバスの中で出会った。目的の場所、高速特急の駅が併設されている方の空港周辺にバスが進入し、ココでいいのか降りるべきでないのか、運転手とお互い得意では無い西洋語でやりとりしている際、背後から声を掛けられた。

彼も内陸に向かう高速特急に乗るらしく降車するべきポイントで降り、一緒にチケット売場に向かう。アジアの鉄道駅というのは(といっても自分が行ったことがある限りだが)特に大都市の起点駅やら始発終着駅というのは、巨大だ。そして大仏がない大仏殿のように天井が高く広大な空間が広がっている。そこにはなんら工作物がなく果てしなく床が(多くの場合表面がコーティングされまたはコーティングされたようにヒトの靴底で磨かれ光沢がある)広がり、いくらかの駅では人々はじかに、または敷物を敷き座っている。そしてそのどちらか一方に側に辺りでは往来が最も激しいメイン通りがあり、そこからダイレクトにまたロータリーを挟んで駅の一方と接している。そちら側にはメインの入り口があり通り側から入るとすぐにその巨大な空間へと進む。そして概ね入り口と反対側の一片に発着する列車の時刻等が、または料金が巨大なパネルでアナウンスされいる。そしてその下方には左右にズラリ、チケット−ブースが並んでいる。巨大な空間とはお金をやりとりするわずかな領域のみを残してアクリル板で仕切られている。そしてそれぞれのブースにの上のほうには、なんらかの表記がなされている。おそらくブースによって、持ちかける要件が違うだろう。アフガンイケメンも現地語はわからないらしく、並んでいた現地人に訊いた。その際に口走ったのが冒頭の台詞。懐かしい中東なまりの英語を久しぶりに耳にした。

その後の旅の途中。時速300キロ以上の高速鉄道で数時間爆走した内陸の街で路に迷った。巨大な城壁がある街。その世界遺産級の(とうか世界遺産なのだが)城壁に登ったはよかったが、歩くウチ降りれなくなり、かつ可能であれば遣ってきた同じ道にきびすを返す、というのを認めないつまらんこだわりもあり、1時間近く歩かされた。挙げ句降りたった地上は時間的にどちらが日が沈む方向かすら、わからなくなっていた。あらてためてグーグルアースが使えないその場所の特性を嘆いてみた。またヒトに訊ねればいいのだが、もちろんグーグル翻訳も使えず、城壁の管理塔的なブースにいた中年男性に英語で訊いてみるが通じず。この城壁沿いに歩けばきっと帰れるハズだが、11月末大陸の日没後というのは、寂しい...という旅愁が入り混む暇もないくらい激しく寒い。まして独り。大通りがあり、車の大生来も多く、そのうちの多くはバス。そしてどこかしらかのバス停で降りた大勢の人々がどこかしらにある自宅へ向かっていた。その広い片側2車線の通りを宛もなく進み城壁を貫くと更に幅の広い通りとの交差点に行き着いた。そこにはかなり数の人々が信号待ちをしていた。その中、年齢は二十代前半、ミラクルなムーンフェイスにショートカット、いかなるエロティックな感情も介在しないほど美的にソフィスティケートされた眼鏡の奥では遠くの海でイルカが水を蹴る音が聞こえてくるような黒く瞳が潤んでいた。

結果をいうと彼女のお陰で宿に辿り着くことができた。彼女は英語を介さなかった。しばらく話したが諦めて、歩き始めると着いてきてくれて片っ端から英語を話せる誰かしらを探してくれた。宿へ向かうバスが発車するバス停まで着いてきてくれ、もの凄く恥ずかしい話だが、なぜかバス代までくれた。このサイファイ的にラッキーな出来事。イケメンアフガン人のアドバイスによった。『話を聞くときは女性に訊いた方が良い』…その方がきちんとおしえてくれる、には続きがあった。できれば自分の好みの女性に訊くと打率は上がる...らしい。それはあんたがイケメンだからだよ、と訝っていたのだが、どうやらそうではなかったらしい。偉大なるアジア。

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