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2016年06月22日09:53

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「数学=試験のために嫌々やらされること」←生徒の認識

三行で要約すれば、

つまり日本の生徒たちは
世界的水準でみれば数学が相当「できる」方なんだけど、
本人の主観では「できない」と思ってる者が大多数というわけだ。

そしてそれは、しいて点数の差を出すために
やたら難しい問題を試験に出す
受験数学に問題があるということだ。

「できない子」を強制的に生み出すというより、
「苦手な子」を構造的に生み出すといったほうが
適切だと思うけど。

「苦手」は、客観的にみても下手、
技術や能力が欠けているという意味と、
主観的に不得意、嫌い、近づきたくないと思っているという意味の
両方を含むからな。

そしてこれは、
日本における英語も同じだと思う。
 過密カリキュラムを少し緩めること、入試では科学に対する意欲・態度の評価項目をもっと重視することなど、今進んでいる大学入試改革はその方向に動いている。現場の人員増員といった教育環境の整備と並行して、ぜひとも実現して欲しい。(後略)
え〜!? 過密スケジュールを少し緩めた結果が
悪名高い「ゆとり教育」だったわけだけど……。

それに
入試では科学に対する意欲・態度の評価項目を
もっと重視するとか?

大学入試改革が本当にこの方向で進んでいるとしたら
なんだかピントがずれている気がするのはおれだけか。

そうすると、
生徒(もともと数学が好きな子は別として)は、
イヤな数学を苦労してやらなきゃならないだけじゃなく、
それをごまかして、あたかも
積極的に、喜んでやってるフリまでしなければいけない
ということになるのではないか?

それよりはもっとストレートに、
数学は楽しい!自然科学は面白い!

……ということを伝える授業にしてほしいものだ。

数学・化学・物理のように
式が出てくる理工系は本当に苦手(客観的にもその能力がなく、
主観的にも近づきたくないと思っているという意味)で、
逆に式の出てこない理系分野には割と興味があるおれとしては
つくづくそう思う。

しかしそうすると、
授業が面白くなるように工夫したばかりに
教科書は牛歩の如く遅々として進まず、
その学年で教授しないといけない内容を
全部消化できないことになりかねない
というリスクも伴う。

しかも、
カリキュラムを考える官僚たちは
苦痛と苦難に満ちた過酷な受験競争を勝ち抜いてきた
百戦錬磨のエリート秀才たちだから、

「数学や試験科学が楽しいと思える授業だぁ? 甘えんな!」

とか思うのかもわからんが。


日本の生徒はもっと自信を持っていい
つってもなぁ。

世界的なランクがどうであろうと、
主観的には
入試のためとか、あるいはもっと先の就職をにらみつつ
渋々やってることには変わりがないし、

現実に試験では悪い点取って
「オマエは数学ダメ」と烙印押されて、
行きたかった進路まであきらめるような生徒が
ぎょうさんいる現実の前では
気休めにもならない話だ。

この日本において
数学マニア以外には
「数学を楽しくする」「楽しい数学」は見果てぬ夢か。


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数学の「できない子」を
強制的に生み出す日本の教育


ニューズウィーク日本版 6月21日(火)16時10分配信


<日本の生徒の数学(算数)の能力は国際比較で見れば平均的な水準よりもはるかに高いが、グループ内で順位を付けるため強制的に「できない子」が生み出されている>

 国際学力調査としてはOECD(経済協力開発機構)が3年おきに実施している「PISA(学習到達度調査)」が有名だが、IEA(国際教育到達度評価学会)の「TIMSS(国際数学・理科教育調査)」もよく知られている。こちらは5年間隔で、各国の数学と理科の学力を計測する調査だ(対象は小学4年生と中学2年生)。

 日本では子どもの理系離れが言われて久しいが、日本の生徒の理系学力は実はかなり高い水準にある。2011年のTIMSSの結果によると、日本の中学2年生の数学平均点は570点で、参加国(42カ国)の中で5位に入っている。

 それなら日本では数学が得意な生徒が多いかというと、そうではない。数学が得意と答えた生徒は12%にすぎない。数学が得意と答えた生徒の割合を横軸、数学の平均点を縦軸にとった座標上に、調査対象の42カ国を配置すると<図1>のようになる。ドイツとフランスは、「TIMSS 2011」の中学生の調査には参加していない。

 数学が得意な生徒が多いほど平均点が高くなるのかと思えば、現実はその逆になっている。右下の途上国は、数学の学力は低いのに、数学を得意と考える生徒の率は非常に高い。日本をはじめとしたアジア諸国はその反対だ。教科の内容や、要求される到達水準の差にもよるだろうが、この傾向には驚かされる。

【参考記事】日本の生徒は「儀礼的」に教師に従っているだけ

 日本の生徒は、平均点は高いのに得意率は最下位だ。学校や塾で、グループ内での順位に基づく相対評価に繰り返し晒されているためだろう。「皆が100点では困る、順位をつけないといけない」。生徒をより分ける資料を得るため、教科書のレベルを超えた奇問難問が試験で出されることもしばしばあり、「できない子」が強制的に生み出されている。

 これでは、自信を喪失する生徒が多いのも仕方のないことだ。このような問題は、受験競争が激しい他のアジア諸国にも共通しているだろう。

 同調査で中学2年生の理系職志望率をみると、日本はわずか21%で最下位だ。<図1>の右下の途上国は理系志望率が高く、ガーナは89%、オマーンは80%、ヨルダンは74%にもなる。参加国全体の傾向で見ても、数学の平均点よりも得意率のほうが、理系職志望率と強いプラスの相関関係にある。

 もう一つ、日本の特異性が分かるグラフがある。<図2>は、数学を得意と考える割合と平均点のクロス集計結果だ。左は日本、右は参加国平均のグラフで、横幅の大小によって得意群・不得意群の比率を表している。

 日本は不得意群が大半だが、その多くが国際標準で見ると高い水準に達している。参加国平均でみた得意群よりも、はるかに高いアチーブメント(到達度)であることがわかる。

【参考記事】未婚男性の「不幸」感が突出して高い日本社会

 理系の学力が高い生徒を育てること、理系教科を得意と考える(親近感を持つ)生徒を育てること――。国の科学力を強化するにはどちらも大事だが、日本は後者が明らかに弱い。理系学力を鍛えても、それを活かして理系職を望む生徒が出てこない(とくに女子)。何とももったいないことだ。

 過密カリキュラムを少し緩めること、入試では科学に対する意欲・態度の評価項目をもっと重視することなど、今進んでいる大学入試改革はその方向に動いている。現場の人員増員といった教育環境の整備と並行して、ぜひとも実現して欲しい。日本の生徒はもっと自信を持っていい。

<資料:IEA「TIMSS 2011」>

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舞田敏彦(教育社会学者)


http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160621-00172204-newsweek-int
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