3月19日(土)
庄内川遡行へ行ってきた。
第5回目だ。
今回は歩く距離が短い。
なぜならカツ丼の食べ比べをするからだ。
最近のわたしの研究によると、東濃地方にはそれぞれの街にご当地カツ丼というのがあるらしい。
どんなものだか興味がわいてきた。
午前9時30分、中央線土岐市駅に到着。
早く着きすぎたので駅ビルの2階にある喫茶店へ入る。
さすが岐阜県で、ボリュームのあるモーニングサービスだった。
これで350円は安い。
午前11時、レストラン「ちちや」が開店になった。
駅から300メートルほどのところにある。
店に入る。
古い感じの街の洋食屋さんだ。
すでにお客さんが5人ほどいた。
カツ丼を頼んでいる人が3人もいる。
わたしもさっそく注文する。
780円だ。
出てきたのは「テリカツ丼」。
ご飯の上にキャベツが敷かれ、その上にトンカツが乗っている。
カツにはデミグラソースのようなタレがかかっている。
タレの味はちょっと酸味があった。
カツも揚げたてで美味しかった。
11時25分、「ちちや」を出る。
すぐに庄内川だ。
中央橋を渡り、左岸を歩いて行く。
堤防の上の舗装された道だ。
土岐市消防本部の裏手から道がなくなった。
雨が降ったばかりなので、河原には降りず堤防の斜面を歩く。
300メートルぐらい草むらを歩いた。
三共橋に着いた。
橋を渡り、右岸に移る。
土岐の街外れだ。
細く真っ直ぐな道が川沿いに続いていた。
右に庄内川、左に住宅と田畑が広がり気持ちのいい景色だ。
1キロほど歩くと突き当り、未舗装の道になった。
最近伐採したばかりのようで歩きやすかった。
500メートルほどで、またアスファルトの道になる。
もうここは瑞浪市だ。
少し歩くと街が賑やかになってきた。
庄内川の隣を平行して国道19号線が通っている。
道路沿いにはロードサイド店舗がずらりと並んでいる。
ツタヤ、オートバックス、西松屋、ダイソー、ショッピングセンターピアゴなど。
それらの店舗の裏側の細い道を川沿いに歩く。
その国道19号線の薬師橋を越えてから、ちょっと寄り道をすることにした。
歩いて10分ほどで中央高速道路の瑞浪インターがある。
このインターチェンジがあるところは、大きな古墳群があった。
それを威勢よく破壊して、高速道路を作った。
いまでも建設地から外れたところに、少し古墳が残っている。
その中の一つ「戸狩荒神塚古墳」を見学する。
インター入口のすぐ隣りにある。
高速道路の向こう側に、瑞浪市の施設がたくさん建っている。
野球場、体育館、美術館などだ。
そのなかのいくつかを見学した。
まずは「瑞浪市化石博物館」だ。
日本でも珍しい化石専門の博物館。
瑞浪市一帯は新生代初期の化石層がある。
地面を掘るといくらでも化石が出てくる。
デスモスチルスやクジラの祖先の化石が発見されている。
原始哺乳類の時代だから、今から約2000万年前だ。
この頃はまだ食肉目も霊長目も未分化だった。
つまり、自分とうちのネコの共通のご先祖さんが生きていた時代だ。
館内はたくさんの化石が展示してある。
なかでもやはりデスモスチルスが引き立っている。
世界で最初に瑞浪市で発見された絶滅哺乳類だ。
瑞浪市の化石層は天然記念物に指定されている。
勝手に採掘することができない。
博物館の許可を得て、指定場所で採掘できる。
庄内川の河原の松ケ瀬橋のあたりだ。
せっかくだから化石掘りをしようとハンマーを持ってきた。
でも、雨で川が増水しているから本日は許可しないということだ。
とても残念。
博物館を出て、公園を突っ切ると「瑞浪市地球回廊」がある。
入場料200円なので入ってみた。
山の斜面にある。
戦争中に掘った地下壕のトンネルを利用している。
説明板には強制連行された中国人、朝鮮人によって作られたと書いてあった。
長さ250メートルの岩の回廊だ。
地球の歴史が順番に展示してある。
惑星としての地球の誕生から生命の誕生と進化、人類の登場から現在まで。
恐竜の時代はとくに詳しく、実物大のプロントザウルスの骨格標本が洞窟に貼り付けてあったりする。
地球回廊の奥には「サイエンス・ワールド」という建物がある。
広い館内は入場無料。
たくさんのブースがあってサイエンスショーや子供が参加する科学の実験が行われている。
液体窒素でモノを凍らせたり、金属メッキをしたり、植物標本を作ったり、なかなか楽しそうだ。
それにしても、どうしてこんなに豪華な施設がたくさんあるのか。
瑞浪市というのは豊田市のような金持ち自治体だったっけ??
じつは、サイエンス・ワールドの建物の裏に、巨大な工場のようなものがある。
「瑞浪超深地層研究所」だ。
日本原子力開発機構が核のゴミを地中深くに捨てるための施設だ。
瑞浪市は古い化石がそのまま埋まっているように、地盤が固く安定している。
そこで岩盤を300メートル以上も削岩して、放射性廃棄物の最終処分場にしようとしている。
地球回廊もサイエンス・ワールドも原子力マネーで作ったものだ。
今はまだ、処分のための研究実験だと言っている。
でも本当に核のゴミなんか持ってきたら、とんでもないことだ。
愛知と岐阜の市民が黙ってはいない。
安保法案反対デモのようなのが、この瑞浪で行われることだろう。
また庄内川に戻る。
少し歩くと、化石採掘の「野外学習地」に来た。
川の増水のため採掘禁止だそうだけど、充分岩が露出している。
採掘は禁止でも、転がっている化石を拾うんだったらいいだろう。
河原の岩はハンマーやタガネで穿たれた穴がたくさんある。
その近くに転がっている石を拾ってみた。
二枚貝の化石と、ビカリアという巻き貝の化石が見つかった。
化石発掘現場から1キロも歩くと瑞浪市の中心街だ。
中央線瑞浪駅で、今日の庄内川遡行は終わり。
もう午後5時過ぎになっていた。
駅のロータリーの外れに「加登屋食堂」がある。
奥に座敷があって居酒屋のような店内だ。
ここもご当地カツ丼のお店。
秘密のケンミンSHOWでも紹介された有名店だ。
タレントさんの色紙もたくさん飾ってある。
「あんかけカツ丼」を注文する。
卵のあんかけがトンカツにかけてある。
あんかけは出汁がきいていて、さくさくのカツとのマッチングが絶妙だ。
これで味噌汁とお新香がついて700円と安い。
味は想像通りのものだけど、なんだか懐かしい感じで良かった。
今回は主目的であるカツ丼のハシゴができて満足だ。
庄内川をゴールしたら、山の向こうの岩村にもご当地カツ丼がある。
今から楽しみだ。
ログインしてコメントを確認・投稿する