ドラアグストア

夕方過ぎに、飲んでいたセントジョーンズワートが切れてしまい
たまらずに近所のスーパーからホームセンターから探しまくっていたのだ。
最近、近所にできたドラアグストアがあって、光に誘われる蛾のように
自動ドアをくぐったのだ。

入り口の看板には
beauty＆healthと書いてある。
美容と健康。人間にとって一番重要な生きる意味だ。美容と健康。

店の中は煌々と蛍光灯が白い光を放っていて
白い床に反射した光が瞳孔に突き刺さるように眩しい。
これが、うすくらい灯りだったら、美容とか健康とかいってられないもんね
明るすぎるくらいが、薬屋にはちょうどいいのかもしれない。

薬の棚を見ていたら
セントジョーンズワートはなかったんだけれど
睡眠導入剤の棚に並んで、抗不安薬みたいなどが並んでいた。
値札には「厚生省の指導により、一人一箱まで」と書かれたものが
並んでいた。手にとって効能を見てみる、
効能
「しんけいがたかぶっていらいらしやすいかたの神経症や不眠症に効果があります。」

なんだ、こんな便利な薬は今までどんな薬屋に言ってもなかったぞ。
しかも、厚生省が飲むなと言ってる薬だ飲まないわけにはいかない。
飲んだら今心に渦巻いている得体のしれない不安や、眠れる原因を少しでも
緩和してくれるかもしれない。

ふらふらとした足取りでレジに薬を持っていく。
レジのお姉さんはお大事にと言う。
何を大事にすればいいのかは言わなかったが。

とりあえず、仕事場にその手の薬を買い込んで
少しずつ飲んで見る。
苦い…効くのかわからないが
少しだけ不安な気持ちが楽になったようなきがした。