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2015年10月08日19:56

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八つ墓村

久しぶりに「八つ墓村」映画のDVDを看た。(1977年、松竹)

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学生時代、岡山県は津山市という田舎町の、そのまた山裾の家の離れに一人下宿していた。
横溝正史の「八つ墓村」を読んだのは、その頃、冬が近くなった夜だった。

尼子一族の落ち武者の話のあたりから、「ほう、この推理小説はスケールがでかいな」と俄然面白くなり、一気に読んでしまった。
夜中に一人で読むと結構怖い話で、読中、屋外のトイレに行くのが億劫になったのを覚えている。

「祟りじゃー!」の流行り言葉も有名だが、最も怖い箇所は多治見要蔵の32人殺し。
これは実際にあった「津山の30人殺し」をモデルにしているそうだ。また、岡山県には「八束村」という八つ墓村の名のモデルになった村もあった。

「これはおもしろいぞ!」と思い、その後、横溝正史の推理小説を片っ端から読んだ。
家柄とか家系とかの、どろどろとした人間関係を題材にした話が多かった。

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映画「八つ墓村」を始めて看たのは、それから5年後くらい、前の会社の新入社員の頃。
既に小説を読んでいたので、どんなふうに映画化するのだろう?の方に興味があった。

渥美清の金田一耕助は「どうかな?」と思ったが、小川真由美の森美也子や山本陽子の多治見春代は適役と思った。
鍾乳洞内のシーンや、最後に小川真由美が化けるシーンも怖かった。

しかし、最も強烈なのは、何といっても多治見要蔵に扮する山崎努の、あの満開の桜をバックに疾走するシーン、32人殺しの場面だった。

鮮烈だった。キチガイというより、壮士の凄味だった。
今、見直しても身震いするほどだ。山崎努は凄い役者と思う。

その後、横溝正史の作品が次々と映画やドラマ化されたが、最初の、この「八つ墓村」が一番印象に残っている。


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