神崎君の家/リビング/夜/雨
青「…ねーねー中の人ー」
中「…んー?」
青「…マクスウェルの悪魔って何なんだよ」
中「……あー…デスs」
青「…………」
中「……えっとだね、とりあえず気体の温度の決め方知ってる?」
青「…知らないだよ」
中「まぁ、温度計見たとか体感も良いんだけどね、その元のやる気で決まるって考え方があってだね」
青「…ほぉ?」
中「酸素ならその元になってる粒子のやる気だね。やる気があっていっぱい動いてる時は熱いしやる気がないとあんまり動かなくて冷たい」
青「……人間と同じなんだよ」
中「んで、例えば20℃だったとしようか。その時全部の粒子が同じやる気じゃない」
青「……やる気無い子どうしたん?」
中「……何かヤな事があったんだろう。でもやる気がある奴もいるから、それを平均して20℃なんだね」
青「…ぉー」
中「で、とりあえずそいつらを全部同じ箱の中に入れてみた」
青「…ぅん」
中「で、その真ん中に仕切りを入れる。粒子たちはこの仕切りを通過できない」
青「……人生?」
中「…ちょっと違う。だけど悪戯な悪魔が居てね、その仕切りの真ん中にすっごいちっこい穴を開けた」
青「……左手に鉄板?」
中「だね。左のやる気のない部屋に居たやる気のある奴が来たら鉄板をどけて通してやる」
青「……」
中「右からやる気のない子が来たら左に通す」
青「……左の雰囲気が悪くなるだよ」
中「…ハクと幸輔は気があってるじゃないか」
青「…なら尚なんだよ…うぅ…」
中「まぁ、兎に角、そうすると左の部屋の温度が下がって右の部屋の温度は上がる」
青「…………」
中「にひひと笑う悪魔は気体に対して仕事をせずに温度を変化させた、って事だね」
青「…てひひ?」
中「……いや、何でも良いんだけどね」
青「…んー? …でもさー鉄板はぱんぱんしたじゃん?」
中「鉄板を使って仕事をしたって言うなら摩擦やら何やらで説明しないとなんだけど、この悪魔は粒子を選別しただけで気体には何もしてない」
青「…おぉ、魔法の悪魔なんだよ」
中「ま、そんなトコだね」
青「…なんか中の人みたいなんだよ」
中「まぁ、そうだねぇ、関わらない方が得ってのは合ってるね」
青「…………ツンデレ?」
中「…うっせぇ」
そんな。
ログインしてコメントを確認・投稿する