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2015年03月01日17:56

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【本】勅使河原茜著『いけばな 出会いと心をかたちにする』角川oneテーマ21

皆様、お今晩は。草月会第四代
家元勅使河原茜著の『いけばな
出会いと心をかたちにする』角川
oneテーマ21刊を読了致しました。


守り継ぐべきものがある、だから
変化をおそれない。創造を通して
「現代」と向きあい続ける草月流
家元が綴る、伝統、いのち、個性
の今。人を育み、子どもの感性を
刺激するいけばなの魅力と奥深さ
を語り尽くす。

読み始める迄は不安でしたが、
これ良書ですよ\(^o^)/

「わたし家元になっていなか
ったら、どうしようもない人間
になっていたかもしれない」と
著者あとがきで書いて居られま
すが、草月会第四代家元として
背負うものが大きかった故育っ
たことを赤裸々に語った本作。
どこかの゛馬鹿宗匠”みたいな
嫌味が微塵もありませんでした。

三代目家元で映画監督でもあっ
た勅使河原宏さまの次女として
生まれて、真っ直ぐに家を継ぐ
と思いきや長女は米国在住の
音楽家で、次女である著者は最
初は何と「幼稚園教諭」として
社会人としてのスタートを切っ
た。本人曰く「控えめで自己
主張しない」と語っておられま
すが、ホントにそうだったんだ
ろうなぁと行間から見えてくる
のであります。

草月会は「花のピカソ」との異
名を取った天才勅使河原蒼風に
因って起こされた流派ですが、
肉親ならでは語れる「初代、二
代目、三代目」の違いと個性。

三代目の勅使河原宏さまには一
度だけ新宿の某酒場でお見受け
したことがあるんですが、確か
に破天荒な人の様に傍からは見
えました。

興味深いのは「塗り絵」をする
と激怒するお父さんだったらし
く、隠れてコッソリとやったり
していたらしいのですが、まあ
大変な家族であったことは間違い
なさそうでして、唯一良かった
のは三人姉妹がそれぞれ自分の
好きな事をやらせて貰ったと言
う事だったらしいのです。

そんな少女時代を送ったからこ
そ解り、自分が親となって反省
する様や、3歳〜18歳までの子供
を預かって「いけばな教室」を
開催されているそうなのですが、
徹底的に「一人一人の子供のペ
ースに合わせて絶対に急かしては
いけない」とか、子供が「先生、
これはこうしたいんだけれども」
と要求が上がった時に初めて「技
術」を教える等「人をみて育てる
事と、花を活けることは本当に
よく似ている」と語っておられ
ますが、実感として非常に良く
解る内容なのであります。

いけばなだけでは無く芸術鑑賞
一般の入門書としても優れた内容
として御薦め出来るものでした。
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