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2014年12月19日06:50
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羽村市さんぽ「羽村堰から浅間岳(羽村神社)・まいまいず井戸」
羽村市さんぽ「羽村堰から浅間岳(羽村神社)・まいまいず井戸」
○「聖徳神社と山根坂」(羽東2-11)
「羽村」の名前の由来は定かではありませんが、一説によると羽村兵衛太夫義尚という武士がその由来のようです。羽村駅の西、新奥多摩街道を超えたところに「聖徳神社」があります。江戸時代末、地元の職人を中心に「太子講」が成立し、その流れを組む羽村町建設工業会によって聖徳太子の神像が奉納され創建されました。
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【山根坂】
聖徳神社から南、高台から稲荷神社の西側に向かって「山根坂」があり、この坂上一帯（羽東1〜2丁目）は、縄文中期の住居址の「山根坂上遺跡」があります。
【山根坂上遺跡】
山根坂上遺跡は、これまでに64軒の住居址が発見されている直径120ｍ程度の環状集落です。中央部に配石遺構を伴い、釣手土器が3点も出土していることから、祭祀性の強い遺跡であると考えられます。
○「稲荷神社」(羽東2-14)
山根坂を下りお寺坂の手前の石段を上がると「稲荷神社」があります。東ケ谷戸（ひがしがいと）の鎮守。元は禅林寺(羽東3-16)の西南にありました。本殿は弘化3年（1846）に着手し、嘉永元年（1848）に竣工と推定され、神輿とともに青梅の宮大工・小林藤馬の作と説明板に書かれています。東ケ谷戸には急坂が多いので苦労するから嫁に行くな、などといわれたといいます。
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【遠江守大石氏の館跡】
遠江守大石氏の館は、遠江坂(羽東2丁目と川崎4丁目の境)の上にあったと伝承がありますが、ここ稲荷神社あたりにあったという説もあります。大石氏は、小田原の北条氏康が山内・扇谷両上杉氏を関東から駆逐すると、その軍門に降って、氏康の子氏照を養子としました。以後、氏照麾下の滝山衆の中核となって各地を転戦し、北条氏の領国発展に貢献しました。この居館の主は氏照を養子とした大石定久の弟・大石照仲といわれ、照仲は1590年の小田原の役の際、八王子城で討死したといわれています。
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○「旧鎌倉街道」(羽東2・3丁目)
稲荷神社からお寺坂に沿って北に向かうと、新青梅街道の手前、斜めに横切る「旧鎌倉街道」があります。お寺坂と交差するところに、「この道は八百年の昔を語る古道で、旧鎌倉街道のひとつ」と書かれた旧鎌倉街道の説明板があります。
鎌倉街道とは、中世において鎌倉から関東諸国をとおり信濃や越後、そして陸奥などの地方を結ぶ交通路で、いわゆる鎌倉幕府の御家人が「いざ、鎌倉」と馳せ参じた道であり、 鎌倉時代から戦国時代までの関東武士の栄枯衰退の歴史を物語る道です。しかし実態としては、詳細な道筋や姿はあきらかでなく「幻の道」と呼ばれています。江戸時代に編さんされた『新編武蔵風土記稿』に、「鎌倉街道跡残れり」とか「鎌倉古道と唱る所あり」などと書かれていて、どうやらこの頃から鎌倉街道と呼ばれるようになったようです。
旧鎌倉街道は南方向に羽村崖線上をいき、遠江坂(羽東2丁目と川崎4丁目の境)で崖を下ったと思われます。禅林寺(羽東3-19)の東側を通る道かと思いますが、この道は羽村東小学校の所で行き止まって途絶えます。昔は直進しここの崖を下り、牛坂からの道と合流して多摩川の方(川崎の渡し跡)へ向っていたと思われます。昭和初期の羽村の地図には、お寺坂上から南下する鎌倉街道が牛坂の坂下と合流した地点の南に遠江坂と書かれています。
羽村駅は比較的新しい町である東口に対して、西口には古い町並みが残されています。元々は静かな佇まいの西口は「羽村駅西口土地区画整理事業」が強引に進められようとして、大問題に発展した区域でもあります。旧鎌倉街道は残してほしいものです。
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○「お寺坂」(羽東1丁目)
稲荷神社の横から禅林寺の前を通り、北側をカーブして下る坂が「お寺坂」(間の坂、沢の坂)です。坂の途中には、次の説明板「馬の水飲み場とお寺坂」があります。
《ここには、豊かな湧き水を利用した馬の水飲み場がありました｡ 坂の下に住む農家の人たちは、畑がハケ上(段丘)にあったので、この坂に大変苦労し、肥料や収穫物の運搬、荷車を引く馬に頼っていました｡ このため急な坂をのぼった所に水飲み場を作り、馬をいたわりました｡明治27年に青梅鉄道が開通してからは、多摩川の砂利を羽村駅まで運搬する馬の水飲み場としても大いに利用されました｡この坂は、近くに禅林寺があるので「お寺坂」と呼ばれ、明治時代の中頃までは、荷車がやっと通れるほどの道幅でした｡》
大正の頃、多摩川の砂利を運ぶ荷馬車が20台位、ピストン輸送で馬方が一声高く手綱の端の鞭で叱咤しながら坂を追い上げたといいます。
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○「禅林寺(中里介山の墓)」(羽東3-16)
お寺坂を下ると稲荷神社入口の先の丁字路に「禅林寺」があります。文禄2年（1593）、当地に住んでいた島田九郎右衛門が円覚寺の三伯禅師の弟子春覚禅師を開山とし、自分の寺として創建したのが始まりと伝えられます。「豊饒の碑」と「中里介山の墓」があります。
【豊饒の碑(天明義挙記念碑)】
本堂手前の池の奥に「豊饒の碑」(天明義挙記念碑)があります。この碑は、天明の大飢饉の際に、羽村周辺の名主たちが、困窮する農民たちの生活を守るために、食料を買い占めていた富商を襲った一揆を、正義の行動(義民)だと賞賛して建てた顕彰碑です。
【中里介山の墓】
禅林寺の本堂左手を回り込み階段を上り右に行くと、禅林寺裏手の墓地に出ます。道標に従って行くと、墓地の奥に「中里介山（なかざとかいざん）の墓」があります。中里介山は、未完に終わった世界最長の小説「大菩薩峠」の作家で、1885年に羽村市の農家に生まれ、1913年に都新聞で「大菩薩峠」の連載を開始し、1944年に大作の完結を果たせぬまま60歳で亡くなりました。すごいのは、墓の台座に積まれた石は、わざわざ大菩薩峠から運んできたものだといいます。
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○「玉川水神社(羽村陣屋跡と陣屋門)」(羽東3-8)
お寺坂からの道をまっすぐ行くと道は分岐しますが、ここを左に行くと玉川上水に出ます。奥多摩街道を右に羽山堰を左に見ながらしばらく行くと、第一水門そばに「玉川水神社」があります。東京水道の守護神で、承応2年（1653）玉川上水が完成された際、水神宮としてこの地に建立され、明治26年に名を玉川水神社と改められました。水神社としては最も古いものの一つです。
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【羽村陣屋跡と陣屋門】
玉川水神社の隣に「羽村陣屋跡」があります。玉川上水の取締り、水門・水路・堰堤等の修理・改築などの上水管理に関する仕事を処理するため、ここに陣屋と称する役所が置かれました。陣屋門は、堰のふちを通る旧道に面してあり、門をはいるとやや広い庭があり、その奥に陣屋敷、水番小屋がありました。
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○「羽村堰公園」(羽東3-8)
玉川水神社から連絡橋を渡ると「羽村堰公園」があります。羽村堰は、多摩川から水を玉川上水に引き入れる取水堰で、固定堰と投渡堰で構成されています。投渡堰とは、川に立てた支柱の間に丸太の桁を渡し、木の枝や砂利などを並べて造ったもの。多摩川が増水した際は、丸太ごと取り払って流すことによって水門の破壊と洪水を回避する仕組みで、350年ほぼ変わることなく現役だそうです。
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【牛枠（川倉水制）】
公園に、次の説明「牛枠（川倉水制）」があります。
《昔の人たちは、祖先から受け継いだ知恵と自らの経験とに基づき、身近な素材を生かし自然と対話しながら、川を治めてきました。そうした治水の技術のひとつが、水の勢いを弱め、堤防が崩れるのを防ぐ「川倉」です。形が馬の背中に似ていることから「川鞍（かわくら）」と名付けられ、のちに川倉と呼ぶようになったこの仕組みには様々な種類が有りますがもっとも一般的なものは「牛枠」と言われています。牛枠は堤防に植えた河畔林を切り出し組立てます。木材だけでは水中で浮き上がるため、水の勢いに負けないよう、川床の玉石を詰めた蛇籠で固定します。堤防を強化する林が同時に治水の材料を提供する、優れた知恵によるものです。かつて牛枠のほかにも、「聖牛（せいぎゅう）」・「笈牛（おいうし）」・「鳥脚（とりあし）」などの川倉があり、あちこちの川で働いていました。しかし今日ではほとんどその姿を見ることが出来なくなっています。》
【玉川兄弟の像】
公園の南側、第二水門近くに昭和33年に建立された「玉川兄弟の像」があります。玉川上水は、承応2年（1653）に江戸市民の生活用水を確保するため、玉川庄右衛門と清右衛門兄弟が羽村から四谷大木戸間まで43kmを開削しました。日ごとに人口の膨張を続ける江戸住民の飲料水を確保するために、幕府は庄右衛門、清右衛門兄弟を工事担当として、羽村より四谷大木戸までの52�劼梁膤�削工事を命じました。兄弟は困難を克服して同年の4月4日から着手、11月15日に工事を完了しました。玉川姓を名乗るようになったのは、玉川上水の工事が完成した後。幕府から、褒美として苗字帯刀を許されました。つまり、工事の功を認められて武士になったということです。
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【桜並木】
羽村堰周辺と玉川上水沿いには桜が約500本あります、春になると素晴らしい桜が一帯に咲き誇ります。
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○「羽村堰下橋」(羽東2丁目)
羽村堰下橋は多摩川左岸の羽村市羽東2丁目と右岸の羽村市羽との間に架かる人専用の橋です。羽村右岸から対岸に在る羽村市郷土博物館へ行く際に利用されていますが、実際の架橋理由は不明です。
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○「郷土博物館」(羽741)
羽村堰下橋を渡り多摩川の対岸土手を右に行くと「郷土博物館」があります。郷土博物館は昭和60年に開館した施設で、多摩川、玉川上水、羽村堰、かつての養蚕業、「大菩薩峠」で有名な羽村生まれの作家、中里介山を紹介しています。入場無料。
【旧下田家住宅】
旧下田家住宅は、羽村町羽西１-13にあった下田季吉氏の家を譲り受けたものです。記録によると弘化４年（1847）に建築されたもので、この地方の一般農家の姿をよく表しており、この民家で使用されていた生活用具や養蚕用具など、1,210点がよく保存されていることから、建物、民具を含めて国の指定重要有形民俗文化財の指定を受けたものです。
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○「羽村神社と浅間岳」(羽)
郷土博物館から「草花丘陵ハイキングコース」になっている「羽村神社と浅間岳(235ｍ)」へは20分程度で上れるので、多摩川散策のついでに上る人も多いようです。一本道なので、コース全般をとおして途中迷うような個所はありません。頂上の浅間岳は、後ろ側にはゴルフ場のフェンスもあり見晴らしが悪く、手前にある羽村神社からの羽村方面眺めは最高です。説明板に次の説明があります。
《神社の創建年代は不詳で、もと富士浅間（せんげん）または琴平社と呼んでいました。御祭神は木花咲耶姫命（このはなさくやひめのみこと）、火産霊神（ほむすびのかみ）、大国主命（おおくにぬしのみこと）、崇徳天皇（すとくてんのう）です。明治３年に秋葉社を合祀して羽村神社と改称したが、俗に浅間さまともいいます。海抜約220ｍのこの付近を浅間山と呼び、前方は絶壁となっていて、羽村市域の展望がすばらしい場所です。本殿は明治時代に石造となり、昭和45年に流造の本殿覆舎や神明造の鳥居、石垣などが改築され境内が一新しました。例祭は４月３日。宮司は阿蘇神社の宮川宮司が兼ねております。》
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○「羽村橋(玉川上水)のケヤキ」(羽東3-18)
羽村堰下橋まで戻り玉川上水「羽村橋」に出ると、羽村堰入口交差点の崖ぎわに「羽村橋のケヤキ」があります。樹高23.5m、目通り直径5.5m。崖面に太い根がはっているのが見られます。
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○「第三水門(玉川上水)」(川崎4-10)
羽村橋のケヤキから玉川上水に沿って南に向かうと「第三水門」があります。羽村堰で多摩川から取水した玉川上水は、数百ｍも流れないうちに村山貯水池（多摩湖）へ水を分け、さらに下流の小平監視所からその全てを東村山浄水場へ給水してしまいます。村山貯水池への取水口となる第三水門は、大正末期のモダンなデザインが美しく、水道事業に懸けた人々の心意気が伝わってくるようです。村山貯水池へ続く導水路の上には水道道路がまっすぐ東へ延びており、青梅線を越えた先からは「神明緑道」と名付けられた散歩道になっています。
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○「羽村大橋(玉川上水)」(玉川1-1)
この橋は、玉川上水にかかる橋としては三番目です。昭和49年2月に竣工した橋で、玉川上水と多摩川を一気に越える橋で、全長560mにも及ぶ長い橋です。
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【都立草花丘陵自然公園桜堤】
あきる野市・福生市・羽村市にまたがる広いエリアで、昭和28年に東京都立の自然公園として指定されました。羽村草花丘陵自然公園の中心は、大澄山、浅間岳などがある多摩川沿いの丘陵で、雑木林の中にハイキングコースが整備されており、尾根からの眺望がよいとこです。なお、この公園名にある「草花」とは植物のことではなく、あきる野市内の地名です。
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○「堂橋と堂坂（上江戸坂、川崎街道）」(川崎4-9)
さらに南に向かうと玉川上水に架かる「堂橋」と「堂坂」があります。堂坂に説明板があり次の説明があります。
《堂坂は江戸の昔からあって、坂の途中に薬師堂があったことから堂坂と呼ばれていました。承応2年(1653)に玉川上水の工事がはじまると、薬師堂が玉川上水の敷地にあったことから、坂上の台地に移されました。その後、昭和28年に宗禅寺の境内に移築されて、現在でも多くの人々に信仰されています。》
かつては坂下に井戸があり、戦時中、東京からの疎開の学童がよく利用していました。この堂坂を下りと、「多摩川(川崎)の渡し」に至ります。羽村や福生、箱根ヶ崎と、西の五日市を結ぶ重要な街道であったといいます。
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【川崎の渡し跡】
堂橋から西に向かうと多摩川に「川崎の渡し跡」があります。説明板に次の説明があります。
《遠江坂を下った鎌倉街道も、堂坂からの道もこの辺りから対岸へ渡りました。渡し場は羽村大橋の下流に位置し、上水に架けられた堂橋を渡り多摩川に向かう道が渡し場への道でした。川崎、羽村、草花の三村が協同で冬場は橋を架けていました。旧鎌倉街道の渡し場ともいわれています。対岸折立の小坂の上に船頭の小屋があり、大正末ころまで渡し場はあったようです。対岸には今も渡し場の石積み跡と、馬頭観音があります。》
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○「宗禅寺」(川崎2-8)
堂坂から西に向かうと新奥多摩街道沿いに「宗禅寺」があります。入口の案内板には「現在の本堂は元禄8年(1695)のものです。」とありますが、300年前の建物とは見えません。宗禅寺は、元和元年(1615)に村民により堂坂下に建立されましたが、度重なる洪水や玉川上水の工事により、元禄8年(1695)に現在地に移転しました。現在の本堂はその当時のものです。境内には、芭蕉と其角の句が刻まれた句碑があります。また墓地には、明治時代の川崎村の教育に貢献された岡部直清先生の墓もあります。
【薬師堂】
境内には、もともとこの地にあって天正11年（1583）に再建された薬師堂があり、羽村市の有形文化財に指定されています。薬師堂は寺の創建よりもさらにさかのぼり、寛正年間(1460〜1465年)といわれています。現在の薬師堂は、宗禅寺の明細書によると、天正11年(1583)に多摩川流木の一本木を持って再建され、「一本木堂」といわれた、とあります。薬師堂内の仏壇の象鼻や虹梁の絵様などから、金背の比較的早い時期の建立と推測され、建築技術や仏堂形態の変遷史上貴重なものとなっています。昭和28年にこの地へ薬師堂が移されると、地元の島田改助が彫った薬師像を安置しました。
【芭蕉と其角の句碑】
�犹辰�は花のうへなる月夜かな�瓠�(芭蕉)
�猝招遒箴�の上に松のかげ�瓠�(其角)
句碑は、道路拡幅工事のためこの寺に移されました。芭蕉の句は元禄元年（1688）吉野での吟で、「いましばらくの間は、咲き誇る桜の上に月が照っているが、やがて月も西に傾き、この景観をほしいままにすることも出来なくなろう」の意です。
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○「神明神社(神明公園)」(神明台1-16)
宗禅寺から北に向かうと、川崎街道沿いに「神明神社」(神明公園)があります。川崎村の鎮守。当社のあたりはもと芝生が生い茂り、その中心に老桜の大樹があり様々な怪事が起こっていました。そのため村人が相談の末樹下に小祠を建てて祀りました。やがてこの小祠が川崎村の鎮守になったといいます。なお現在では住宅地と化していますが、かつてはお伊勢森といわれる森林でした。
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○「水木公園」(神明台2丁目)
川崎街道を北東に向かうと「水木公園」があります。
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【稲荷松坂】
水木公園交差点から北東に上る坂を「稲荷松坂」といいます。坂の脇に稲荷社がありましたが、現在は神明神社に同居しています。坂下一帯に松が植栽されていたようで、この名になりました。
○「まいまいず井戸(五ノ神社)」(五ノ神1-1)
羽村駅東口に近い「五ノ神社」の境内に古い井戸「まいまいず井戸」あります。まいまいずとはカタツムリのことで、その名のとおり地面から渦巻き状に掘られています。大同年間（806〜810年）のものといわれ、まっすぐ縦に掘る井戸掘り技術が発達していなかった昔，水脈が深いところにある武蔵野台地ではこのような方式の井戸が使われていました。直径約16m、深さ約4m。町営水道ができた昭和37年まで利用されていました。この形態の井戸は、大井戸公園(青梅市)、七曲井(狭山市)、模したものが国営昭和記念公園(立川市・昭島市)にもあります。
【五ノ神社】
五ノ神社の本殿は青梅の宮大工小林藤馬が、嘉永2年（1849）に着工し文久2年（1862）に竣工したものと推察され、羽村市指定の有形文化財です。次の由緒が記載されています。
《創建は推古天皇9年（601）と伝えられる古社で、宝亀年間（770−780年）、熊野五社大権現を祀ったところから、もとは熊野社と称し五ノ神の地名が生まれたといわれています。》
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○「聖徳神社と山根坂」(羽東2-11)
「羽村」の名前の由来は定かではありませんが、一説によると羽村兵衛太夫義尚という武士がその由来のようです。羽村駅の西、新奥多摩街道を超えたところに「聖徳神社」があります。江戸時代末、地元の職人を中心に「太子講」が成立し、その流れを組む羽村町建設工業会によって聖徳太子の神像が奉納され創建されました。
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【山根坂】
聖徳神社から南、高台から稲荷神社の西側に向かって「山根坂」があり、この坂上一帯（羽東1〜2丁目）は、縄文中期の住居址の「山根坂上遺跡」があります。
【山根坂上遺跡】
山根坂上遺跡は、これまでに64軒の住居址が発見されている直径120ｍ程度の環状集落です。中央部に配石遺構を伴い、釣手土器が3点も出土していることから、祭祀性の強い遺跡であると考えられます。
○「稲荷神社」(羽東2-14)
山根坂を下りお寺坂の手前の石段を上がると「稲荷神社」があります。東ケ谷戸（ひがしがいと）の鎮守。元は禅林寺(羽東3-16)の西南にありました。本殿は弘化3年（1846）に着手し、嘉永元年（1848）に竣工と推定され、神輿とともに青梅の宮大工・小林藤馬の作と説明板に書かれています。東ケ谷戸には急坂が多いので苦労するから嫁に行くな、などといわれたといいます。
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【遠江守大石氏の館跡】
遠江守大石氏の館は、遠江坂(羽東2丁目と川崎4丁目の境)の上にあったと伝承がありますが、ここ稲荷神社あたりにあったという説もあります。大石氏は、小田原の北条氏康が山内・扇谷両上杉氏を関東から駆逐すると、その軍門に降って、氏康の子氏照を養子としました。以後、氏照麾下の滝山衆の中核となって各地を転戦し、北条氏の領国発展に貢献しました。この居館の主は氏照を養子とした大石定久の弟・大石照仲といわれ、照仲は1590年の小田原の役の際、八王子城で討死したといわれています。
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○「旧鎌倉街道」(羽東2・3丁目)
稲荷神社からお寺坂に沿って北に向かうと、新青梅街道の手前、斜めに横切る「旧鎌倉街道」があります。お寺坂と交差するところに、「この道は八百年の昔を語る古道で、旧鎌倉街道のひとつ」と書かれた旧鎌倉街道の説明板があります。
鎌倉街道とは、中世において鎌倉から関東諸国をとおり信濃や越後、そして陸奥などの地方を結ぶ交通路で、いわゆる鎌倉幕府の御家人が「いざ、鎌倉」と馳せ参じた道であり、 鎌倉時代から戦国時代までの関東武士の栄枯衰退の歴史を物語る道です。しかし実態としては、詳細な道筋や姿はあきらかでなく「幻の道」と呼ばれています。江戸時代に編さんされた『新編武蔵風土記稿』に、「鎌倉街道跡残れり」とか「鎌倉古道と唱る所あり」などと書かれていて、どうやらこの頃から鎌倉街道と呼ばれるようになったようです。
旧鎌倉街道は南方向に羽村崖線上をいき、遠江坂(羽東2丁目と川崎4丁目の境)で崖を下ったと思われます。禅林寺(羽東3-19)の東側を通る道かと思いますが、この道は羽村東小学校の所で行き止まって途絶えます。昔は直進しここの崖を下り、牛坂からの道と合流して多摩川の方(川崎の渡し跡)へ向っていたと思われます。昭和初期の羽村の地図には、お寺坂上から南下する鎌倉街道が牛坂の坂下と合流した地点の南に遠江坂と書かれています。
羽村駅は比較的新しい町である東口に対して、西口には古い町並みが残されています。元々は静かな佇まいの西口は「羽村駅西口土地区画整理事業」が強引に進められようとして、大問題に発展した区域でもあります。旧鎌倉街道は残してほしいものです。
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○「お寺坂」(羽東1丁目)
稲荷神社の横から禅林寺の前を通り、北側をカーブして下る坂が「お寺坂」(間の坂、沢の坂)です。坂の途中には、次の説明板「馬の水飲み場とお寺坂」があります。
《ここには、豊かな湧き水を利用した馬の水飲み場がありました｡ 坂の下に住む農家の人たちは、畑がハケ上(段丘)にあったので、この坂に大変苦労し、肥料や収穫物の運搬、荷車を引く馬に頼っていました｡ このため急な坂をのぼった所に水飲み場を作り、馬をいたわりました｡明治27年に青梅鉄道が開通してからは、多摩川の砂利を羽村駅まで運搬する馬の水飲み場としても大いに利用されました｡この坂は、近くに禅林寺があるので「お寺坂」と呼ばれ、明治時代の中頃までは、荷車がやっと通れるほどの道幅でした｡》
大正の頃、多摩川の砂利を運ぶ荷馬車が20台位、ピストン輸送で馬方が一声高く手綱の端の鞭で叱咤しながら坂を追い上げたといいます。
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○「禅林寺(中里介山の墓)」(羽東3-16)
お寺坂を下ると稲荷神社入口の先の丁字路に「禅林寺」があります。文禄2年（1593）、当地に住んでいた島田九郎右衛門が円覚寺の三伯禅師の弟子春覚禅師を開山とし、自分の寺として創建したのが始まりと伝えられます。「豊饒の碑」と「中里介山の墓」があります。
【豊饒の碑(天明義挙記念碑)】
本堂手前の池の奥に「豊饒の碑」(天明義挙記念碑)があります。この碑は、天明の大飢饉の際に、羽村周辺の名主たちが、困窮する農民たちの生活を守るために、食料を買い占めていた富商を襲った一揆を、正義の行動(義民)だと賞賛して建てた顕彰碑です。
【中里介山の墓】
禅林寺の本堂左手を回り込み階段を上り右に行くと、禅林寺裏手の墓地に出ます。道標に従って行くと、墓地の奥に「中里介山（なかざとかいざん）の墓」があります。中里介山は、未完に終わった世界最長の小説「大菩薩峠」の作家で、1885年に羽村市の農家に生まれ、1913年に都新聞で「大菩薩峠」の連載を開始し、1944年に大作の完結を果たせぬまま60歳で亡くなりました。すごいのは、墓の台座に積まれた石は、わざわざ大菩薩峠から運んできたものだといいます。
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○「玉川水神社(羽村陣屋跡と陣屋門)」(羽東3-8)
お寺坂からの道をまっすぐ行くと道は分岐しますが、ここを左に行くと玉川上水に出ます。奥多摩街道を右に羽山堰を左に見ながらしばらく行くと、第一水門そばに「玉川水神社」があります。東京水道の守護神で、承応2年（1653）玉川上水が完成された際、水神宮としてこの地に建立され、明治26年に名を玉川水神社と改められました。水神社としては最も古いものの一つです。
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【羽村陣屋跡と陣屋門】
玉川水神社の隣に「羽村陣屋跡」があります。玉川上水の取締り、水門・水路・堰堤等の修理・改築などの上水管理に関する仕事を処理するため、ここに陣屋と称する役所が置かれました。陣屋門は、堰のふちを通る旧道に面してあり、門をはいるとやや広い庭があり、その奥に陣屋敷、水番小屋がありました。
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○「羽村堰公園」(羽東3-8)
玉川水神社から連絡橋を渡ると「羽村堰公園」があります。羽村堰は、多摩川から水を玉川上水に引き入れる取水堰で、固定堰と投渡堰で構成されています。投渡堰とは、川に立てた支柱の間に丸太の桁を渡し、木の枝や砂利などを並べて造ったもの。多摩川が増水した際は、丸太ごと取り払って流すことによって水門の破壊と洪水を回避する仕組みで、350年ほぼ変わることなく現役だそうです。
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【牛枠（川倉水制）】
公園に、次の説明「牛枠（川倉水制）」があります。
《昔の人たちは、祖先から受け継いだ知恵と自らの経験とに基づき、身近な素材を生かし自然と対話しながら、川を治めてきました。そうした治水の技術のひとつが、水の勢いを弱め、堤防が崩れるのを防ぐ「川倉」です。形が馬の背中に似ていることから「川鞍（かわくら）」と名付けられ、のちに川倉と呼ぶようになったこの仕組みには様々な種類が有りますがもっとも一般的なものは「牛枠」と言われています。牛枠は堤防に植えた河畔林を切り出し組立てます。木材だけでは水中で浮き上がるため、水の勢いに負けないよう、川床の玉石を詰めた蛇籠で固定します。堤防を強化する林が同時に治水の材料を提供する、優れた知恵によるものです。かつて牛枠のほかにも、「聖牛（せいぎゅう）」・「笈牛（おいうし）」・「鳥脚（とりあし）」などの川倉があり、あちこちの川で働いていました。しかし今日ではほとんどその姿を見ることが出来なくなっています。》
【玉川兄弟の像】
公園の南側、第二水門近くに昭和33年に建立された「玉川兄弟の像」があります。玉川上水は、承応2年（1653）に江戸市民の生活用水を確保するため、玉川庄右衛門と清右衛門兄弟が羽村から四谷大木戸間まで43kmを開削しました。日ごとに人口の膨張を続ける江戸住民の飲料水を確保するために、幕府は庄右衛門、清右衛門兄弟を工事担当として、羽村より四谷大木戸までの52�劼梁膤�削工事を命じました。兄弟は困難を克服して同年の4月4日から着手、11月15日に工事を完了しました。玉川姓を名乗るようになったのは、玉川上水の工事が完成した後。幕府から、褒美として苗字帯刀を許されました。つまり、工事の功を認められて武士になったということです。
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【桜並木】
羽村堰周辺と玉川上水沿いには桜が約500本あります、春になると素晴らしい桜が一帯に咲き誇ります。
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○「羽村堰下橋」(羽東2丁目)
羽村堰下橋は多摩川左岸の羽村市羽東2丁目と右岸の羽村市羽との間に架かる人専用の橋です。羽村右岸から対岸に在る羽村市郷土博物館へ行く際に利用されていますが、実際の架橋理由は不明です。
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○「郷土博物館」(羽741)
羽村堰下橋を渡り多摩川の対岸土手を右に行くと「郷土博物館」があります。郷土博物館は昭和60年に開館した施設で、多摩川、玉川上水、羽村堰、かつての養蚕業、「大菩薩峠」で有名な羽村生まれの作家、中里介山を紹介しています。入場無料。
【旧下田家住宅】
旧下田家住宅は、羽村町羽西１-13にあった下田季吉氏の家を譲り受けたものです。記録によると弘化４年（1847）に建築されたもので、この地方の一般農家の姿をよく表しており、この民家で使用されていた生活用具や養蚕用具など、1,210点がよく保存されていることから、建物、民具を含めて国の指定重要有形民俗文化財の指定を受けたものです。
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○「羽村神社と浅間岳」(羽)
郷土博物館から「草花丘陵ハイキングコース」になっている「羽村神社と浅間岳(235ｍ)」へは20分程度で上れるので、多摩川散策のついでに上る人も多いようです。一本道なので、コース全般をとおして途中迷うような個所はありません。頂上の浅間岳は、後ろ側にはゴルフ場のフェンスもあり見晴らしが悪く、手前にある羽村神社からの羽村方面眺めは最高です。説明板に次の説明があります。
《神社の創建年代は不詳で、もと富士浅間（せんげん）または琴平社と呼んでいました。御祭神は木花咲耶姫命（このはなさくやひめのみこと）、火産霊神（ほむすびのかみ）、大国主命（おおくにぬしのみこと）、崇徳天皇（すとくてんのう）です。明治３年に秋葉社を合祀して羽村神社と改称したが、俗に浅間さまともいいます。海抜約220ｍのこの付近を浅間山と呼び、前方は絶壁となっていて、羽村市域の展望がすばらしい場所です。本殿は明治時代に石造となり、昭和45年に流造の本殿覆舎や神明造の鳥居、石垣などが改築され境内が一新しました。例祭は４月３日。宮司は阿蘇神社の宮川宮司が兼ねております。》
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○「羽村橋(玉川上水)のケヤキ」(羽東3-18)
羽村堰下橋まで戻り玉川上水「羽村橋」に出ると、羽村堰入口交差点の崖ぎわに「羽村橋のケヤキ」があります。樹高23.5m、目通り直径5.5m。崖面に太い根がはっているのが見られます。
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○「第三水門(玉川上水)」(川崎4-10)
羽村橋のケヤキから玉川上水に沿って南に向かうと「第三水門」があります。羽村堰で多摩川から取水した玉川上水は、数百ｍも流れないうちに村山貯水池（多摩湖）へ水を分け、さらに下流の小平監視所からその全てを東村山浄水場へ給水してしまいます。村山貯水池への取水口となる第三水門は、大正末期のモダンなデザインが美しく、水道事業に懸けた人々の心意気が伝わってくるようです。村山貯水池へ続く導水路の上には水道道路がまっすぐ東へ延びており、青梅線を越えた先からは「神明緑道」と名付けられた散歩道になっています。
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○「羽村大橋(玉川上水)」(玉川1-1)
この橋は、玉川上水にかかる橋としては三番目です。昭和49年2月に竣工した橋で、玉川上水と多摩川を一気に越える橋で、全長560mにも及ぶ長い橋です。
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【都立草花丘陵自然公園桜堤】
あきる野市・福生市・羽村市にまたがる広いエリアで、昭和28年に東京都立の自然公園として指定されました。羽村草花丘陵自然公園の中心は、大澄山、浅間岳などがある多摩川沿いの丘陵で、雑木林の中にハイキングコースが整備されており、尾根からの眺望がよいとこです。なお、この公園名にある「草花」とは植物のことではなく、あきる野市内の地名です。
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○「堂橋と堂坂（上江戸坂、川崎街道）」(川崎4-9)
さらに南に向かうと玉川上水に架かる「堂橋」と「堂坂」があります。堂坂に説明板があり次の説明があります。
《堂坂は江戸の昔からあって、坂の途中に薬師堂があったことから堂坂と呼ばれていました。承応2年(1653)に玉川上水の工事がはじまると、薬師堂が玉川上水の敷地にあったことから、坂上の台地に移されました。その後、昭和28年に宗禅寺の境内に移築されて、現在でも多くの人々に信仰されています。》
かつては坂下に井戸があり、戦時中、東京からの疎開の学童がよく利用していました。この堂坂を下りと、「多摩川(川崎)の渡し」に至ります。羽村や福生、箱根ヶ崎と、西の五日市を結ぶ重要な街道であったといいます。
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【川崎の渡し跡】
堂橋から西に向かうと多摩川に「川崎の渡し跡」があります。説明板に次の説明があります。
《遠江坂を下った鎌倉街道も、堂坂からの道もこの辺りから対岸へ渡りました。渡し場は羽村大橋の下流に位置し、上水に架けられた堂橋を渡り多摩川に向かう道が渡し場への道でした。川崎、羽村、草花の三村が協同で冬場は橋を架けていました。旧鎌倉街道の渡し場ともいわれています。対岸折立の小坂の上に船頭の小屋があり、大正末ころまで渡し場はあったようです。対岸には今も渡し場の石積み跡と、馬頭観音があります。》
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○「宗禅寺」(川崎2-8)
堂坂から西に向かうと新奥多摩街道沿いに「宗禅寺」があります。入口の案内板には「現在の本堂は元禄8年(1695)のものです。」とありますが、300年前の建物とは見えません。宗禅寺は、元和元年(1615)に村民により堂坂下に建立されましたが、度重なる洪水や玉川上水の工事により、元禄8年(1695)に現在地に移転しました。現在の本堂はその当時のものです。境内には、芭蕉と其角の句が刻まれた句碑があります。また墓地には、明治時代の川崎村の教育に貢献された岡部直清先生の墓もあります。
【薬師堂】
境内には、もともとこの地にあって天正11年（1583）に再建された薬師堂があり、羽村市の有形文化財に指定されています。薬師堂は寺の創建よりもさらにさかのぼり、寛正年間(1460〜1465年)といわれています。現在の薬師堂は、宗禅寺の明細書によると、天正11年(1583)に多摩川流木の一本木を持って再建され、「一本木堂」といわれた、とあります。薬師堂内の仏壇の象鼻や虹梁の絵様などから、金背の比較的早い時期の建立と推測され、建築技術や仏堂形態の変遷史上貴重なものとなっています。昭和28年にこの地へ薬師堂が移されると、地元の島田改助が彫った薬師像を安置しました。
【芭蕉と其角の句碑】
�犹辰�は花のうへなる月夜かな�瓠�(芭蕉)
�猝招遒箴�の上に松のかげ�瓠�(其角)
句碑は、道路拡幅工事のためこの寺に移されました。芭蕉の句は元禄元年（1688）吉野での吟で、「いましばらくの間は、咲き誇る桜の上に月が照っているが、やがて月も西に傾き、この景観をほしいままにすることも出来なくなろう」の意です。
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○「神明神社(神明公園)」(神明台1-16)
宗禅寺から北に向かうと、川崎街道沿いに「神明神社」(神明公園)があります。川崎村の鎮守。当社のあたりはもと芝生が生い茂り、その中心に老桜の大樹があり様々な怪事が起こっていました。そのため村人が相談の末樹下に小祠を建てて祀りました。やがてこの小祠が川崎村の鎮守になったといいます。なお現在では住宅地と化していますが、かつてはお伊勢森といわれる森林でした。
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○「水木公園」(神明台2丁目)
川崎街道を北東に向かうと「水木公園」があります。
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【稲荷松坂】
水木公園交差点から北東に上る坂を「稲荷松坂」といいます。坂の脇に稲荷社がありましたが、現在は神明神社に同居しています。坂下一帯に松が植栽されていたようで、この名になりました。
○「まいまいず井戸(五ノ神社)」(五ノ神1-1)
羽村駅東口に近い「五ノ神社」の境内に古い井戸「まいまいず井戸」あります。まいまいずとはカタツムリのことで、その名のとおり地面から渦巻き状に掘られています。大同年間（806〜810年）のものといわれ、まっすぐ縦に掘る井戸掘り技術が発達していなかった昔，水脈が深いところにある武蔵野台地ではこのような方式の井戸が使われていました。直径約16m、深さ約4m。町営水道ができた昭和37年まで利用されていました。この形態の井戸は、大井戸公園(青梅市)、七曲井(狭山市)、模したものが国営昭和記念公園(立川市・昭島市)にもあります。
【五ノ神社】
五ノ神社の本殿は青梅の宮大工小林藤馬が、嘉永2年（1849）に着工し文久2年（1862）に竣工したものと推察され、羽村市指定の有形文化財です。次の由緒が記載されています。
《創建は推古天皇9年（601）と伝えられる古社で、宝亀年間（770−780年）、熊野五社大権現を祀ったところから、もとは熊野社と称し五ノ神の地名が生まれたといわれています。》
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