韓国・クボン山登山記録

10月23日（木）

午前6時30分、旅館を出てタクシーに乗る。
今日はクボン山（1002ｍ）に登るのだ。
漢字で書くと九峰山。
頂上までの稜線に9つのピークがある、奇怪な形の山だ。

あまり日本人が登っていない。
前日もチナンの街中で地元の人に声をかけられ「日本からクボン山に登りに来た」と言ったら、腰を抜かしそうに驚いていた。

タクシーで30分ぐらいで、クボン山登山口駐車場に着いた。
登り口を探して歩いていたら、管理事務所の人が駆け寄ってきた。

「クボン山に登るのか？今は登山禁止だ」

縦走路の4峰と5峰の間に橋を作っている。
工事中で通行不能だということだった。


せっかく日本から来たのに残念だ。
その人に、沢から頂上へ回りこんで登る道を教えてもらう。
まあどうせ霧で景色も見えないし、沢ルートを行くことにする。

しばらく舗装道路を戻り、新興宗教っぽい教会を山の方に折れると登山口があった。
午前8時出発。
整備された道を歩いて行く。
平日なのに何人かのハイカーとすれ違う。


途中でちょっと道に迷った。
適当に斜面を歩いて登山道に戻る。


稜線に出たのが10時頃。
そこから上り下りも少なく、10時30分に登頂した。
霧も晴れてきて頂上は見晴らしがいい。
立派なベンチが置いてある。


下を見るとクボン山の9つの峰が見下ろせる。
やっぱり不思議な姿だ。


4峰と5峰には重機が持ち上げられて、大きな橋を作っている。
工事の音が頂上まで聞こえてくる。
駐車場の人は英語でConstruction　of　bridge（橋の構築）と言っていた。
大げさなことを言うやつだ、普通はMaking　bridge（橋を作る）じゃないかと思っていた。
でもたしかに、これはコンストラクションだ。
図面を書いて基礎工事から始めなければいけない。

この4峰と5峰の間が核心部で、タクシーの運転手も「あそこが一番難しい」と言っていた。
だから橋を構築しているのだろう。
もう少し前に、橋の工事が始まる前に来たかったなあ。

走るように登山口まで降りた。
１時間で新興宗教教会へ戻る。

のどかな畑の中を歩いた。
このあたりは全て唐辛子を栽培している。
赤く細い実が成ってきれいだ。
その後ろにクボン山が見えた。
下から見ても迫力がある。
やっぱり橋が完成したら、もう一度来てみようか。


帰りはバスでチナンに戻ることにした。
バス停の時刻表では１２時５０分のがある。
もうすぐだ。

待合所では地元のおばあさんがいた。
同じくチナン行きに乗るのだ。

ところが１時間待っても、バスが来ない。
おばあさんは涼しい顔で「遅いねえ」なんて言っている。
まあこういうものなのだろう。


その間、おばあさんと話が弾んだ。
ここの村は３７軒の家があり、住民は男性２０人で女性が３０人。
過疎と高齢化が進んでいる。
自分もチョンジュに移り住んでいて、今日は里帰りしたのだ。
耕地面積は田圃と畑で約５ヘクタールで、畑はほとんどが唐辛子栽培だ。
この辺りの気候は寒暖の差が激しいので、良い唐辛子が取れる。
でも冬になると寒さが厳しい。

なにしろ韓国語の会話なので、これが正しいのかどうかわからないけど、多分このようなことを言っていたと思う。

バスが来た。
おばあさんと運転手さんは顔見知りのようで、親しげに挨拶している。
その他の乗客もお互いに知り合いのようだ。
田舎の会話が盛り上がっている。


今年の６月に岐阜の田舎の限界集落を訪れた時のことを思い出した。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1928660303&owner_id=614168

１時間弱でチナンに戻る。
もう２時過ぎだ。
いまから移動しても夜遅くなる。
もう一泊チナンに泊まることにする。

お昼ごはんを商店街の粉もの屋で食べる。
クックス（麺類）を頼んだ。
そしたら注文を受けてから製麺機で麺を作り出した。


できたてのクックスが運ばれてきた。
甘辛いソースが絡めてある。
歯ごたえのある麺とのマッチングが最高だ。
都会のパスタ専門店より美味しかった。


旅館にチェックインして、すぐに外出した。
チナンの観光名所、マイ山を見学するためだ。
チナン郊外に、マッターホルンのような形の山が２つ並んでいる。
高さは６００メートルぐらいだけど、平地の真ん中にあるのでかなり目立つ。

タクシーで駆けつけると賑やかな観光地だった。
山も奥の方にあるし、一般登山道はない。
景色だけ見てバスで帰る。




それで、泊まった宿が素晴らしいところだった。
感動したのでまた改めて続きを書く。