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2011年04月11日23:02

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鎌崩の頭・登山記録

またしても南アルプス深南部へ行ってきた。
人の少ない静かなところがいい。

9日(土)
14:30頃、戸中川林道ゲートに着いた。
15時少し前、車を置いて歩きだす。
ちょうど雨もやんだところ。
気持ちよく歩いていく。

林道は冬のあいだ荒れ放題。
あちこちで岩が崩れ落ちている。

17時ごろ、不動岳登山口近くに到着。
岩の間から水が染み出ている近くにテントを張る。
きれいな水がテントのすぐそばで汲める。
理想的な場所だ。
のんびりと食事を作り酒を飲む。
今回の登山者はわたしたちだけ。
静かな山奥の夜だ。

10日(日)
5時に起きる。
ラーメンを作り、荷物をまとめる。
6:30登山道を登り始める。
50メートルも歩いたら、道が分からなくなった。
雪解けやなにかで斜面が崩壊しているのだろう。
道のない急斜面を登っていく。
ボロボロと足場が崩れる。
ロープで確保したくなるほどだ。
こんなことで大丈夫だろうか。

震えながら登って行くと杉の植林帯に出た。
斜面も緩やかになる。
道も発見できた。

でも、その道もところどころ不明瞭だ。
なんども道を見失う。
地図によると、とにかく尾根に沿って登っていけばいい。
適当に登って行くとまた道が現れる。

1600メートルぐらいまで登ってきた。
残雪が現れた。
登るほどに雪は多くなる。
一度溶けて固まって氷のようになっている。
とても歩きにくい。

つい油断して斜面で滑って転んでしまった。
倒れこんだ先の木の根元で鼻柱を打った。
鼻血がポタポタと雪の上に落ちる。
かなり大量の出血だ。
白い雪の上に赤い鮮血が滲む。
日の丸のように美しい。
そういえば三島由紀夫も同じようなことを書いていたなあ。
でも三島先生の場合は鼻血ポタポタじゃなかったような。

あっ、そんなことはどうでもいい。
とりあえず出血を止めなければ。
しばらく仰向けに倒れこんでいた。

だんだん止まってきたので歩きだす。
雪の中に靴がずぼりずぼりと入って、なかなか進まない。

11時近くに鎌崩の頭(2075m)に登頂。
今回の目的は不動岳(2171m)だった。
でもこのペースだと、かなり時間がかかる。
残念だが、ここで引き返すことにする。

そうと決まれば、かなり時間がある。
ゆっくりと鎌崩からの景色を楽しむ。
いつもながら南アルプス深南部は美しく山深い。
どうしてこのエリアは人気がないのか??
不思議でしかたがない。

帰りもやはり、それなりに苦労して下る。
雪と不明瞭な道は緊張するなあ。

林道に着いたのが午後2時30分。
ゲートの車の駐車地点に戻ったのが午後4時30分。
龍山のやすらぎ温泉で入浴した。

それにしても今回の山登り、経験のない人だったら遭難してるかも。
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