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2010年10月20日23:01

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ベースキャンプでの生活

海外の高所登山ではベースキャンプに滞在する時間がいちばん長い。
こんどのパキスタン遠征でも、ベースに合計6泊した。
参考までにどんなことをしていたかを書く。

9月11日(土)
午前10時40分、ベースキャンプに到着した。
すぐにポーターさんたちは下山する。
恒例の記念セレモニーがある。
わたしたちゲストとポーターさんたちが、ひとりずつ握手したりハグしたりする。
4日間一緒に山に登ってきたので、お別れが淋しい。
記念写真をとってからポーターさんたちは走るように下山していった。

あとに残ったのは、わたしたち日本人ふたりとハイポーターさんたちが5人だ。
ベースキャンプは広い平地にテントが5つほど設営してあるだけ。
人がまばらになって自然の大きさをあらためて感じる。

夕食は殺したての羊肉料理だった。
新鮮で美味しいなあわーい(嬉しい顔)

9月12日(日)
今日からベースキャンプに留まって高所順応をする。
目的の山は6000メートル。
いきなり登ると高山病で倒れてしまう。

キャンプ地のほとりに沢が流れている。
それに沿って2〜3時間ぐらい登ってみる。
こんな高さで沢登りができるなんて思わなかった。
ハイポーターのサバザリさんについて登っていく。
本当にゆっくり登って行くけど、息が続かない。
いくら空気を吸い込んでも血液に酸素が回らないような感じ。
ハァハァハァと早い呼吸を繰りかえす。

標高5000メートルぐらいで終了。
来た道を引き返す。
戻ったらランチが用意されている。
食後は昼寝、その後ディナー。

9月13日(月)
今日はキャンプ1を設営する予定のところまで登って下りてくる。
高度順化と偵察を兼ねている。
昨日登った沢の途中から左手の斜面を登る。
尾根にたどり着いたら、そのままリッジを登る。
5300メートル付近で少し平らになっているところがキャンプ1予定地だ。
予定地の100メートルほど下まで来た。
日本からいっしょに来た同行者が体調が悪く動けなくなった。
少し休んでからゆっくり下山する。

戻ったらまた豪華なランチ。
そして昼寝眠い(睡眠)

9月14日(火)
同行者が疲れているようなので今日は休養日だ。
一日じゅう何もしない日。
考えてみれば日本を出てから移動したり歩いたり、先を急ぐ毎日だった。
このあたりでボーっとするのもいいだろう。

食べて昼寝して散歩して。
美しい景色も一日じゅう眺めているとさすがに飽きてくる。
でもこうやって標高4600メートルで過ごすことが高度順化なのだ。
ベースキャンプに着いた日よりも呼吸が楽になってきたようだ。

沢の水で髪を洗う。
久しぶりにさっぱりした。
雪解け水で冷たかったけど。

あと残った時間は読書をした本
ドストエフスキー「死の家の記録」。
小説の中の厳しいシベリアの世界と、パキスタンの山岳風景が妙にシンクロして不思議な気分になった。

明日はいよいよ未踏峰の頂上にむけて出発する。
わたしにとって初めての高さ。
人類にとっても未知の領域だ。

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