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2009年10月15日23:16

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ミイラ巡礼の旅〜その2

4日(日)

この日は「大日坊」と「注連寺」を拝観した。
月山、湯殿山のふもとにある名刹である。
もちろん即身仏さんがいる。

「大日坊」は国道から外れた田んぼのなかにあった。
日本の正しい農村風景がひろがっている。
ひなびた風情がとてもよい。

日曜日のせいか、参拝客が多かった。
20人ぐらい集まっていた。
みんな本堂に上がり込み住職の話を聞いた。

今年は丑年ご縁年というそうだ。
湯殿山一帯のお寺では12年に一度、秘仏の本尊をご開帳する。
即身仏さんも新しい着物に着せ替えられる。
そんなこと知らなかった。
運がいいなあ。

住職の話はおもしろかった。
徳川家ゆかりのこのお寺の歴史とか、山形県の文化行政のこととか。
興味があることではあるが、早く即身仏さんを見たいぞ。

続いて即身仏が安置されている別室に通された。
張り切って一番前に座る。
「大日坊」の即身仏はかなり保存がいい。
修復も防腐処置もしていない。
死んでから220年たっているそうだが、とてもそんなに見えない。

お肌は肌色だ。
手先には爪がきれいに生えている。
眼窩には眼球がある。
服の上からは分からないが内臓などもちゃんと残っているそうだ。

とてもありがたい気持ちになった。
即身仏の古着を裁断してお守りにして売っていた。
1000円だけど、思わず買ってしまった。

「大日坊」にはテレビの取材などもよく来るそうだ。
ニュースなどに出てくる即身仏はほとんどこのお方だ。
まさにミスター即身仏だ。


次に拝観したのは「注蓮寺」
「大日坊」から2キロほど山奥に入ったところにある。
ここも有名なお寺で、それなりに観光客がいた。
拝観を申し込むと、おばさんがつききりで説明してくれた。
本堂の左隅に即身仏さんがいた。
保存はよいのだがお身体が黒色をしている。

おばさんの話では
「大阪万博に展示したとき防腐処置もしてもらった。黒ウルシを塗ったのでお肌が黒くなった。」

しかしその後調べてみたけど、大阪万博に即身仏が展示された記録がない。
どうもそのへんの見せ物かなにかで、どさ回りをさせられたようだ。

ここは即身仏も素晴らしかったけど、山奥の景色が印象に残っている。
とくに本堂の扉から月山がきれいに見えた。
「今日の朝、あそこの頂上まで登ってきました。」
と言ったら、おばさんは嬉しそうにしていた。

さらにこのお寺の周辺では映画「おくりびと」のロケが行われた。
モッくんと山崎努が仕事に行って干し柿をもらい、車の中で食べる場面。
まさにお寺の隣や真ん前で撮影されたそうだ。
それほどに「田舎の風景」そのものという場所なのだ。

そんなところで地元の人に守られながら静かに座し続ける即身仏さんが羨ましかった。


ところで、どこの即身仏も写真撮影は禁止になっている。
お願いすれば許可してくれるところもあるが、mixiにそれを載っけるわけにはいかない。
なので「大日坊」の丑年ご縁年のチラシを掲載しておいた。
ミスター即身仏をごゆっくりご覧ください。
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