真夏の日付も変わろうかという頃合い、賀茂保栄(かものやすよし)は自室で安らかな寝息を立てていた。彼の几帳面な性格を表すように、夏の暑さの中でも薄手の内掛けを仰向けの体にかけての就寝だ。彼の部屋の縁側方面で白い御簾(みす)が風に揺れる。軽くは
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