なぜ、日室邸に来たのか失念するところだった。ストレンジャーだ。異邦人。直訳すると。これを聴きたい。わたしの家にはプレーヤーが無い。だから、聴けない。「お母さん、やっぱり、橋くんの部屋に行くわけにはいきませんか?」「なりませぬ」なんと!「流れ
基本的に木で、できてるようだ。高級な木だ。固い材木で床はつくられている。靴は脱がなくていいのだろうか。日室の母は、わたしの母とは違う。種類が違う。その違いは、言語の違いかもしれない。丁寧なのだ。一度、他の言語に翻訳されて、また日本語になった
家には、それぞれ、匂いがある。おそらく、住んでいる人は、気づいていない。侵入者のみが、それに気づく。ワインの匂いがした。日室の家は、ワインの香りがした。そういえば、日室は、近づくとワインの匂いがする。お母さんが、出迎えてくれた。「橋が、いつ