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日記一覧

柿 #15
2019年01月26日00:38

筆記用具が変わると文章は変わるのだろうか。最初、人は木の枝とかで書いていたような気がする。地面や砂浜に。それは、やがて消えてしまう。やがて、紙を発明する。永い期間、保存が効く。しかし、それも消えてしまうだろう。つまり、これもやがて消えていく

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柿 #14
2019年01月20日23:24

日室と出会ったのは中学生のときだ。よく遅刻してきた。そして、よく怒られていた。しかし、堪(こた)えているようには見えなかった。むしろ、先生のほうが堪えている。わたしは、宿題をしなかった。する必要を感じなかった。そして、それは正しかったと思って

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柿 #13
2019年01月20日00:37

「問題がない」。日室が云った。「ん?どうした?」。「問題がないのだ。生まれてから一度も問題がない」。「マジかよ!」思わず、声を上げてしまった。「そもそも、問題はないのだ」。「でも、テレビつけると問題だらけなんだけど」。言い返した。「人びとは

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柿 #12
2019年01月15日23:25

「人生は、ごほうびだ」。日室が云った。「ごほうび?」。日室が、人生と言うのは珍しい。「与えられたものだ」。「だれから?」。気になる。「ここの柿は、うまいな」。また、楊枝を刺した。「とにかく食えばいい」。とにかく食えばいいそうだ。

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柿 #11
2019年01月15日01:25

「ゆっくり走は、どうだろう」と、日室は云った。「ゆっくり走?」。「ゆっくり走るから、ゆっくり走」。日室は、柿が好きなようだ。「前から思っていたのだが、なぜ速く走らなければならないのだろう」。「前からって、いつぐらいから?」わたしは訊いた。「

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柿 #10
2019年01月13日00:26

ドイツの哲学者は、アーチェリーの名手だった。日本には弓というものがあるらしい。来日した。東洋哲学と弓道を学ぶためだ。彼は、応用ができると思っていた。すぐに免状がもらえると期待していた。しかし、二年たっても、なにも変わらない。あいかわらず老師

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柿 #9
2019年01月12日00:41

片手は、いつ生じたのだろう?目的が生じたときだ。目的が片手だ。目的がなければ片手もない。音は、いつも鳴っている。それが仏だ。直接体験だ。時間はない。生じたことがない。人間の脳のなかにしかない。妄想だ。インドではマーヤという。幻。禅は、公案と

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柿 #8
2019年01月09日01:13

西田幾多郎は、直接体験。直接だ。それは、人間には不可能だ。人は、自分を観ることはできない。かならず、鏡を必要とする。しかし、幾多郎は、それを許さない。あくまで、直接だ。それは、禅の『片手で鳴る音』に等しい。片手で、どうやって鳴る?片手をなく

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柿#7
2019年01月06日01:07

たぶん幾多郎は、時間が嫌いだ。それを許さない。柿の哲学者は、時間が好きだ。惚れぬいている。カント、ヘーゲル。幾太郎がカントだとしたら、柿は、ヘーゲル。垂直と時間。自己と他者。宇宙ができる前の、それ。そして、宇宙。柿と幾太郎。神と人間。どちら

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柿 #6
2019年01月03日23:15

哲学者にはライバルがいた。西田幾多郎だ。西田幾多郎は圧倒的だ。有無を言わさない。西田の前に西田なく、西田の後に西田は有り得ない。そういう男だ。困った。哲学者は困ったのだ。自分のスタイルを確立せねばならない。『たいていのことはやらなくていい』

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柿 #5
2019年01月02日01:29

難しかった。この味は難しい。おそらく理解するのに500年くらいかかるだろう。人はなぜ、柿を食べるのか?いや、なぜ、柿は人に食べられるのか?その必要があるのか。栄養素は、あるのか?人は、生きる必要があるのか?柿は、訴えかけてくる。おそらく、哲

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